∞ サブスクのランダム?再生

Apple Musicを使っているのだけれど、重宝している機能が「∞」。任意の曲を選んで表示させた状態でこのマークをタップすると、マークのとおり、延々とほかの曲の再生を続けてくれる。それも、いま選んでいる任意の曲と近い(と思われる)ものを。

と書いてはみたものの、何が「近い」うちに入るのかわかりかねる。察するに、主にジャンルとか時代とか地域だと思う。関連づけの要素にはほかにどんなものがあるのだろう。

要は、自分の好きな曲を再生してこの「∞」をオンにしておくと好みに近いものが次々にプレイされる可能性が高いということ。

そのおかげで新しい出会いがあるのはもちろんうれしいが、既に知っている好きな曲が勝手にプレイされることが多い。このおかげで、私は日々「味わい直し」を楽しんでもいる。

That’s the Way ...ではなく『ガッツだぜ!!』

この曲を久しぶりに聴いたら、改めて気付きがあった。

イントロ後にいきなりサビをかます曲。コードはBm。マイナーの響きは私にいわせれば粘着質。つまり、印象に残りやすいと思う。理由はわからないけど、まず「少数派」だからというのがあると思う。世に出ているポップやロックの歌の多数派はメージャー調だからだ。

その印象的なマイナーのフックを持って、サビでいきなり始まる曲。そこまではいいとして、あらためて聴いて認知したことを書く。

同主調間で転調

冒頭のサビを終えてAメロにつながるのだけれど、いきなりすっとメージャーコードに移行してしまうのだ。サビ後〜Aメロのつながりをコードで記そう。

Bm|E7|Bm|E7|→(ここからAメロ)B

このように、Ⅳ7(サブドミナント?)→Ⅰ(トニック)でつながる。純粋にBm調の範囲内の響きを用いるならE(E7)ではなくEmが固有の響き。このE(E7)を登場させている点を同主長調の兆しと解釈するのも良いかもしれない。

直後のAメロ、BメロはBメージャーキーで進んでいく。サビからAメロに進むにあたってBm→Bと、同じ主音の調(同主調)の間で転調する。

かつての私は、これに気付かずなんとなく聴いてしまっていた。感じてはいたのかもしれないけれど、このように音楽的な仕組みを意識して聴いたことがなかった。

そのなめらかさ、スムースさもまたウルフルズの音楽的な仕掛けの巧妙さでもある。わざとくさくなく、さらっとやってみせるのが良い。ウルフルズならびにソングライターのトータス松本氏の、音楽におけるカッコ良さに対する高い美意識を感じる。お手本にしたい。

ちなみにBメロのおしまいにⅤコードのF#(BあるいはBm調におけるドミナント・コード)を置いて、またBm調のサビにすんなりと戻っていく。同主短調(同じ音を主音とするマイナーの調……ここではBm)とのあいだでF#は共通なので、これまた引っかかりなく滑らかにつながる。

初期のウルフルズのいくつかの曲にみられるような、ぐいぐい行くコミカルでパワフルなイメージを継承しつつもファンキーでブルージーな匂いを4つ打ちのディスコビートに乗せている。PVがとにかくヘンテコ。ストーリーがあるような破綻しているような……シュールで楽しい。インパクトに満ちた画面の連続。

ネタ元? That’s The Way

ガッツだぜ!!・・・ではなく『That’s The Way (I Like It)』KC & The Sunshine Band

こちらが「ガッツだぜ」というフレーズの発想元になったという。楽しい空耳。『夕方フレンド』など、ほかの言語の空耳をおもしろがるウルフルズのレパートリー、というコード(きまり、共通項)が見出せる。私も倣いたい。

ガッツだぜ!! 発表や名義についての概要

作詞・作曲:トータス松本。ウルフルズのシングル(1995)、アルバム『バンザイ』(1996)に収録。

青沼詩郎

『ガッツだぜ!!』を収録したアルバム『バンザイ』

『ガッツだぜ!!』を収録した『ベストだぜ!!』

ご笑覧ください 拙カバー

青沼詩郎Facebookより
“1995年のウルフルズのシングル曲『ガッツだぜ!!』。ファンクなディスコが当時の彼らの新境地だったのでは。12月にこのシングルを出し、翌1月にアルバム『バンザイ』リリース、2月に表題曲シングルカット、という流れ。
イントロ後すぐサビ。のちにヒラウタでメジャーコードにすっと切り変わるのが私的に音楽ポイント高し。
ヒラウタ直前の間はBm⇔E7を反復してる。Ⅰ-Ⅳ-Ⅰのカデンツ。最後のⅠmがメージャーコードに切り替わってヒラウタ。いいなぁこれ。
リズミカルにたたみかける歌詞も気持ち良い。終始テンション高め。”

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