「いいとも」エンドロールで繰り返し目にした名前「伊藤銀次」

このブログで日本のポップスのことについてよく書いている。

私はウルフルズが好きで、何度も当ブログサイトでも取り上げている。彼らのプロデュースをした人、伊藤銀次

伊藤銀次は自身も歌手、ソングライターで『幸せにさよなら』という曲が私はとても好きだ。大滝詠一、山下達郎との共同名義「ナイアガラ・トライアングル」で発表している。

日々音楽ブログを書いていることも手伝って、最近の私の意識に伊藤銀次が浮かび上がることがしばしばあるのだけれど、先日ふと気付いた、あるいは思い出したことがある。突然頭の中の回路がつながったような感じがしたのだ。

それは、かつて何十回何百回観たかわからないお昼の帯番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』(1982—2014、フジテレビ)のテーマソング『ウキウキWATCHING』の作曲者が伊藤銀次だということ(作詞:小泉長一郎、編曲:鷺巣詩郎)。

「伊藤銀次」の名前を、番組エンドロールで私は繰り返し観た。その四文字の見た目を私ははっきりと記憶していたのだ。記憶の中のいいともエンドロール、その映像に含まれる四文字が示す人物と、最近の私がしばしば気にかける存在が同一人物だということ。

番組「いいとも」を私が頻繁に楽しんだ時代からだいぶ経ち、2020年の5月ごろから私はこのブログサイトを立ち上げて音楽に親しむ記事を書き始める。大好きなウルフルズのプロデューサーの名前に行き当たるのに時間はかからなかった。

それなのに、その時点ですぐには頭の中の回路がつながらなかった。私がブログサイトを立ち上げてからさらにいくらかの時を経て、ほんとうに、つい先日なのだ。伊藤銀次氏が、あのテレビ番組「いいとも」の主題歌の作曲者として度々目にした四文字の名前の持ち主だとういうことが、私の記憶のマップの中でつながったのが。

ウキウキWATCHING 私の歌詞の聞き間違い

それから、もうひとつ気が付いてびっくりしたことがある。

この曲の歌詞における、自分の「聞き間違い」に気付いたのだ。

歌詞に「いいトモロー」と出てくる。これを私はずっと「いいともぉ〜」だと認識していた。

実際「いいとも」と歌う部分もあって、「いいトモロー」と歌う部分と曲中で混在している。いうまでもなく「いいとも」と「いい(良い・好ましい)Tomorrow」のひっかけ、ダブルミーニングだろう。

なんてごきげんでハッピーなキラーフレーズなんだろうと思う。「いいともぉ〜」と聞き違えている限りは、その魅力に気付けなかった。ソングライティング、ことば遊びに込められた意匠に気づいた途端、私の中に作り手の人生の一部が流れ込んだ気がした。鼻歌のようなご機嫌ソングであると同時に、言葉と知恵の果実だ。

仮に歌詞を聴き取り違えたままでも、曲は聴き手にウキウキなリズムを与えていく。結びのフレーズ、♪いーいーともー、いーいーともー、いーいーとーーもーーおーーー。大事なことは3回言おう。合言葉は「いいとも」。承諾。それも快諾だ。

もちろん、結びのラインの3フレーズ目は正しくは「いいトモロー」。私やあなたの、好ましい未来(あした。トモロー。)を讃えてくれている。それも、タモリさんのキャラの如く、さらりと音もなく鼻で息をするみたいにかろやかに、ささやかに。

私はフルコーラス聴く機会がこれまでなかったが、伊藤銀次がセルフカバーしている。柔和な声と洒脱なアレンジでパフォーマンスしていて、昨日私はこれをエンドレスにリピートして聴いては一緒に口ずさんだ。お昼の顔のあの番組のトモローは、今の私につながっている。

青沼詩郎

伊藤銀次によるセルフカバー『ウキウキWATCHING』を収録したアルバム『THE BEST OF GINJI Sony Music Edition 1982-1985, 1993』

https://youtu.be/bFhnoIbMBhY 「笑っていいとも」や『ウキウキWATCHING』についての経緯を伊藤銀次が話している。弾き語りも少し。

ご笑覧ください 拙カバー

青沼詩郎Facebookより
“『森田一義アワー 笑っていいとも!』テーマソング。
人生で何回この曲を耳にしただろう。国内でもっとも認知されている歌のひとつか。
そのくせ、私はずっと気づいていなかったことに今日気づいた。
曲中、「いいとも」「いいトモロー」と歌い分けていること。
ずっと私の耳には「いいとも」「いいともぉ〜」と聞こえていた。
まさか「いいトモロー」だったなんて。
それを知って聴けば「トモロー」とちゃんと聴こえるし、そうとしか聴こえないのだけれど、ずっとずっと私は勘違い(聴き違い)してきた。
番組の音楽担当、鷺巣詩郎・伊藤銀次両氏の名前を何度エンドロールで目にしたかわからない。『ウキウキWATCHING』編曲の鷺巣氏は私と下の名前が漢字まで一緒なのが見るたびに気になった。あまり多い名前(漢字が)ではないので。
ウルフルズのプロデュースなどもしている伊藤銀次氏と、当時いいともエンドロールで繰り返し目にした名前の持ち主が同一だと認知した(アタマの中でつながった)のも最近のこと。”

https://www.facebook.com/shiro.aonuma/posts/3495217473905235