続きを読む グレイテスト・バカ The ピーズ『バカになったのに』 バカって褒め言葉なんだよな。“自堕落ばかりがモテすぎる”というたった一行から、私はそんな「俺」を重ねる。そういう対極像から影響を受けて『バカになったのに』、なったのに、だよ…? ばかー!!って言いたくなる現実。それをこの歌で叫んでいる「俺」。最高か!
続きを読む 来生たかお『夢の途中 Duet With 薬師丸ひろ子』 転調のカラクリと薬師丸ひろ子の円熟、来生たかおのクール・ボイス 『夢の途中 Duet With 薬師丸ひろ子』は『ザ・プレミアムベスト 来生たかお』(2009/03/18、ユニバーサルミュージック)に収録されている。薬師丸ひろ子の歌声は、少女時代のそれとは違った艶と芯、コントロールの技量が感じられる。
続きを読む 【音楽日記】南佳孝『スローなブギにしてくれ(I want you)』を聴いたり 自作を聴いたり 昨日は南佳孝の『スローなブギにしてくれ(I want you)』が素敵だと思った。これ、斉藤和義がカバーしていた。私はそっちを先に知った。確か『紅盤』に入っていた。南佳孝の原曲はシングル、アルバム『SILKSCREEN』(1981)に収録。ドアタマの長3度をかさねたオーギュメントが必殺。”I Want You”。ブルーノートをつかったメロディが最高。昨日は『SILKSCREEN』をかけながらメシを食っちゃった。いつも家族を巻き添えにしている。
続きを読む 坂本九『上を向いて歩こう』『心の瞳』 私の時事、心の中の紐付け 自分の中にすでにあるものでも、その関係をいかに知らないでいるか。そのことを思い知った。そのまま航空機事故についても調べていったため、この記事の書き出しがあのようになった。痛ましく、心苦しい出来事。それでも、私の胸の中に新たなアーカイブが出来たことは間違いない。坂本九の輝きが、私の中に今もある。それは私にとっての何よりの時事である。
続きを読む Bill Evansが奏でる『Danny Boy』ジャズの不思議 観察して、感じて、想像すれば。 スケールとかコードとかが、人為なのに数学的で天文的なのかな。水や空気のように、私に入ってくる。入ったことに気付かないこともある。共存しているし、生かしてもらってもいる。宇宙のしくみと似ているんだろうか。
続きを読む 幽霊部員の小踊り Ray Parker Jr. 『Ghostbusters』 ときにくすぐったいような声の出し方、発声をはじめる瞬間の、2枚の声帯がゆっくりはじけてこすれるみたいなニュアンス。笑い声。ボーカリスト、レイ・パーカー・ジュニアの表現力に唸る私。シンセのかっちりした明瞭なサウンドを基調に、少し奥の方に左右に定位を分けてリズムとリードの歪んだギターが数本ダブってある。いかにも80年代全開で最高だ。
続きを読む 詩人による詞 『TAKESHIの、たかをくくろうか』 2018年1月に「谷川俊太郎展」を観に行って初めてその存在を知った曲だ。会場内のひとところに、ラジオみたいなものが棚いっぱいに置いてあって、そこから谷川俊太郎が作詞した音楽がつぎつぎ流れるというギミックの展示があった。『鉄腕アトム』なんかも流れていたけれど、その中でひときわ心を引くのがビートたけしの歌声を含んだサウンドだった。作詞は当の谷川俊太郎。作曲者が坂本龍一だったのに驚いた。メージャーセブンスのもどかしい響きを用いた印象的な美しい曲だと思った。会場で、帰路で、自宅で、熱心に私はこの曲を何度も検索しては聴いた。
続きを読む 『アンパンマンのマーチ』の純度 Bパートの頭の和音が副次調のドミナントから始まるところが何よりもツボ。そしてベースラインが、副次調の異質な響きの旅をなめらかに順次進行でつないでいるところなんか、もう職人の魂を感じる私のアンテナのレベルメーター針が振り切ってピーーーーである。