続きを読む Be My Baby(The Ronettes)音楽愛を投合するイントロのお約束 ド、ドドン、タ!のドラムパターンが来ると嬉々として反応し、プレイリストに加える重症者になってしまいました。1960〜2020年代に渡る、ミュージック・ラバーのバトンリレー。きっと未来のあなたにも渡ります。
続きを読む バンドブームの話 モテとGSと若年と社会 映画『Shall We ダンス?』を観て下心から始まる本気について思いをはせていたらバンドブームについて調べ始めてしまいました。色々聴いてしまって収集がつきません。若年人口とブームの関係はあると思います。GS、ビートルズ、イカ天……
続きを読む 井上陽水『クレイジーラブ』異端と愛の幅 溌剌としていながら聴く者に対してトリモチのような粘性を発揮する歌声とは対照的に、井上陽水の歌詞の世界はときにドライでがらんどう。死んだ魚のまなざしで刺す無常の様相が鋭い。愛も幸福もさまざまで、日常こそ異端への道。
続きを読む ハードロック愛なくるりのフラレディを聴いた話 〜『SPEEDY RILAKKUMA』リスニングメモ、Bon Jovi『Bed Of Roses』と井上陽水『最後のニュース』の転生〜 私ハードロックの知識は浅いのですが「っぽさ」への感性はあり、それを言葉にすると…。くるりをガイドに想像妄想。
続きを読む 伊藤銀次『SHADE OF SUMMER』 影の響き、まぶしさの軒 シトロエンのシートの頭上にもきっと日よけは装備されていたろうと思う。 夏の影の響きが長く余韻する。詞曲アレンジあらゆる面のお手本としてこの曲を持って行きたい。
続きを読む 松田聖子『赤いスイートピー』 さやの外、思い出の未来。 「門出」「別れ」「優しい思い出」…希望への一歩の裏に、感傷や回顧、寂しさを秘めた花言葉に思えます。描かれた愛情のさやの外に明言を避けた多くの真実がある気がしてしまいます。思い出であり、未来でもあるのか。
続きを読む THE BLUE HEARTS『ラブレター』はなぜ美しいか 要所の3度のハーモニー コードの平易さ、言語の平易さを守った上で独創性を発揮するのは至難の技であり、それを実現しているのがTHE BLUE HARTSの尊敬すべきところのひとつだと思っています。
続きを読む YMO『君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-』 精通者の純愛 柄にもなく純情な気持ちで胸をときめかせている主人公とは裏腹に、お相手のほうは肉汁したたるモーションだったとしたら……この絵図にはおかしみがあります。音楽精通者グループの最後期にまさかの胸キュン。
続きを読む 岩崎宏美『すみれ色の涙』 現実の無情の滴り ブルー(青)に、現実の無情が滴り落ちると「すみれ色」に。一般と固有、淋しさの本質、平行調へつながるⅢ7、編曲:萩田光雄の妙技……知る・思うこと満載でした。原曲はジャッキー吉川とブルー・コメッツ。
続きを読む フニクリ・フニクラ 冒険心あおるCMソングの元祖 呪文みたいで可愛い「フニクリフニクラ」は登山電車「フニコラーレ」の愛称。変拍子っぽく聴こえる、小節線を無視したようなトリッキーなモチーフの割り付け、奇数小節フレーズ。ⅢmやⅤへの部分的な転調。サビ後半の転々とした和音進行と怒涛の同音連打「フニクリフニクラ」。登山鉄道の広報・宣伝の機能を満たし、主人公に想定上の相手役を配したアツいラブソングにもなっています。和音や調の進行にも起伏があり、音形もゆたか。ケーブルカーに乗った火山観光の冒険心をあおる秀でたCMソングです。ノリが良く親しみやすいメロディやリズムを持ったフニクリ・フニクラは「おにのパンツ」ですら許す器の大きい曲。