危い土曜日 キャンディーズ 曲の名義、発表の概要
作詞:安井かずみ、作曲:森田公一。キャンディーズのシングル、アルバム『危い土曜日〜キャンディーズの世界〜』(1974)に収録。
キャンディーズ 危い土曜日を聴く
コンガがバコバコと轟きます。コンガ奏者をフィーチャリングアーティストとして記名すべきなんじゃないかというくらい目立っています。
キャンディーズが真ん中。左がコンガで右がドラムというなかなか奇特な布陣です。真ん中にいるのはボーカル以外はベースくらいでしょうか。ほとんどの楽器をサイドに振り分け、キャンディーズの声のために真ん中を空けています。
定位をはっきりさせたぶん、オケの音量が容赦ありません。キャンディーズのボーカルに譲ることなく、オラオラと主張します。ブリブリぎらつく低域のサックスがエロいです。ストリングスパートも高音域と低音域をはっきり分けて収録していて個別の動きで鑑賞者をほんろうします。
サビに入る前で、ベースがまるで「ぐるぐる」という歌詞の酩酊した雰囲気を表現するように上のほうの音域に上がってパラシュート降下する独特の音形を描きこみます。ドラムは基本右サイドですが、ベースがくだんの動きをした直後サビに入る前のわずかな時間、右サイドに寄っていたスネアだかフロアタムがバシ! バシ!と決めのフレーズがセンター付近の定位を侵略してきます。何かを奪われてしまった気分です。
「ぐるぐる危い土曜日」の歌詞が示すように、お酒が入っているのかなと思わせます。理性をふりきって、勢いにまかせて享楽に浸る様子を思い浮かべます。
そんな曲想とは裏腹に、リードボーカルがはつらつとしていて芯が通っています。ぜんぜん酔っていません。はっきりとした意志、判断能力を感じます。むしろ主人公ははっきりしていて、好意を寄せている相手を喰い尽くしてしまうのじゃないかと震えさせるほどに、ボーカルのニュアンスがバコバコけたたましいオケ・バンドに攻め勝っているのです。土曜日は事変だコレ。
青沼詩郎
参考Wikipedia>危い土曜日、危い土曜日〜キャンディーズの世界〜
キャンディーズのアルバム『危い土曜日〜キャンディーズの世界〜』(1974)
『危い土曜日』を収録した『キャンディーズ ゴールデンJ-POP THE BEST』(1997)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『危い土曜日(キャンディーズの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)