僕はここに立っているよ THE BLUE HEARTS 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:真島昌利。THE BLUE HEARTSのシングル『リンダリンダ』(1987)に収録。

THE BLUE HEARTS 僕はここに立っているよ(CD『SUPER BEST』収録)を聴く

Aマイナーの沈み込むような鬱屈とした空気を振り払い貫いて走り抜けるようなヴァースの曲調。ブリッジで夜明けがみえてきて……コーラスでCメージャーのスリーコードのパターンへ行き光に浸かりながらも充満する夜の匂いだけが残っているみたいな楽曲構成が良いですね。対比があります。

サウンドが実にシンプル。白井幹夫さんのキーボード類もない。完全に4人とそのダブリングのみで構成しているようです。

シャクシャクとアコギのストラミングが響きの中心をなします。エレキギターは2拍目やら3拍目ウラを強調するリズム、それからオブリガードを機敏に切り替えひとつのトラックで適確に演奏していきます。エレキがこうして入っていますがあくまで補佐的な印象で、フォークロックバンドのような……初期のRCサクセションを思い出すようなサウンドでもあります。

とはいえガツっとしたドラムのサウンドが圧倒的です。またキックとベースのユニゾンのピッタリ感、タイトさは彼らのフロントマンが愛用していそうな体型の出るピッタリとした細身のパンツかよというくらいタイトにぴっちりついてまわります。またコーラスのベースがよく動く。快活なテンポのなかで私の心臓を爆裂させんとばかりによく動きます。

コーラスのボーカルメロディが同音連打中心で非常にシンプルで、クソッタレって言ってやるのところで真島さんの字ハモボーカルが上に入ってきます。二人の歌声を合わせてオリジナルのボーカルメロディ然としている、どっちがリードとかなく……という様相はどこかビートルズソングのいくつかを思い起こします。

クソッタレって言ってやるis 実に単純明快な主旨本題。でもその動じなさの規模感が楽曲の気骨です。ナイフだかピストルだか小手先の殺傷兵器に対抗する態度の話じゃない。原爆だろうと水爆でもその態度は揺るがない、もはや態度以上の、宇宙真理 is クソッタレって言ってやるなのです。

さすがに私個人はクソッタレで良くてもたくさんの人を巻き込む規模なので私なら「ちょっと待って」とスピードを殺した態度をとってしまいかねない……いや、そもそもナイフやピストルの時点でクソッタレを言えない輩が私でしょう。

もちろん楽曲は喩えです。楽曲はフィクション。楽曲のなかの世界を描いているので現実の自分のポリシーや既成事実である必要はない。むしろ現実のポリシーや既成事実を超越するほどに楽曲も漫画も映画も面白くなるでしょう。痛烈さこそTHE BLUE HEARTSの本懐であります。

かと思えば愛らしさ無邪気さが全面に出ていたりする曲もある振れ幅にまたやられるのですけれどね。

青沼詩郎

参考Wikipedia>リンダリンダSUPER BEST (THE BLUE HEARTSのアルバム)

参考歌詞サイト 歌ネット>僕はここに立っているよ

THE BLUE HEARTS 徳間ジャパンサイトへのリンク

『僕はここに立っているよ』を収録したTHE BLUE HEARTSの『SUPER BEST』(1995)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『僕はここに立っているよ(THE BLUE HEARTSの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)