NO.1 THE HIGH-LOWS 曲の名義、発表の概要
作詞 ・作曲:甲本ヒロト。THE HIGH-LOWSのアルバム『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』(2000)に収録。
THE HIGH-LOWS NO.1(アルバム『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』収録)を聴く
これでもかと明るくサバけた音色の甲本さんのボーカルが印象的です。野太く原始的で荒々しい印象のTHE BLUE HEARTS時代の音源とはまた違って、次の時代を生きている空気を勝手ながら匂いとります。ダイナミックマイクの帯域のシェイプのような明るいキャラクターが自然にオケにコミットしている感じです。
ドゥ・ワップスタイルへのアプローチというのか。ものすごく低い声域にも♪“ナンバーワン”とハメ込むボーカルパートがいます。またウーワー系コーラスというのか、華やかなボーカルトラックがそびえます。
ピアノがなんと絢爛で自在なことか。白井幹夫さんですね。THE BLUE HEARTSのサポートにも数多の曲で乗っています。2・4拍目でリズムと和声を強調するバッキングから、装飾を優美に引っ掛けてすばしこく撹乱するようなリードプレイに惚れ惚れです。
リードプレイにおいてギターは鍵盤に譲るのが本曲の塩梅なのか?……と思うとエンディング付近で負けじとギターが痛烈で爽快な響きを練り込んできます。ゴキゲンだ。
最後のほうには左トラックにアコギのストラミングも入ってきてパワーと帯域のマッチョ度合いを強調してきます。
鍵盤はピアノのみにならずオルガンとスイッチプレイ。あまり両方を同時に使っていないので、リスナーの耳が混乱しません。グワーンと豪快にグリッサンドでインしてきてピヨーーーと永遠にくたばらないサスティンで太陽みたいなオレンジ色を分厚くぬりたくる。オルガンとはこれだよ!
“今度のがNo.1だろ”(『No.1』より、作詞:甲本ヒロト)
あえて狭いペルソナをあてはめてみれば、たとえばミュージシャンは今度の新曲が最強だと思って都度リリースするわけです。だって、あのときのオレが知らないことを、もっといまのオレは知っているんだもの。あのときを経験したうえで、いまのオレがあるんだもの。あの時までのオレは、今のオレに含まれているんだもの! だから、今度のがナンバーワンに決まっているんだ。声をあげろよ!高らかに自慢しまくれ!叫び散らせ!世界が何個あっても宇宙が何マン何億あっても知らん!今度のが最強なんだ!No.1なんだよ!!!
と、FメージャーからGメージャーに転調してこれでもかと叫びをひねり込み、フックをアッパーカットをストレートを繰り出し拳をふりまくります。最高かよ!ナンバーワンに決まってるよ今度のやつがね!
今度の君は、今までの君全部を積んだフラッグシップなのです。間違いないよ。
青沼詩郎
参考Wikipedia>Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS
『NO.1』を収録したTHE HIGH-LOWSのアルバム『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』(2000)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『NO.1(THE HIGH-LOWSの曲)ウクレレ弾き語りとハーモニカ』)