Take It Easy Eagles 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Glenn Frey・Jackson Browne。Eaglesのシングル、アルバム『Eagles』(1972)に収録。
Eagles Take It Easy(アルバム『Eagles』収録)を聴く
Take It Easyの主題よろしく、シンプルな和声の進行で延々とつづく大陸の幹線道路の景観を表現するかのごとし。
リードボーカルの歌唱がイケメンです。端正です。シンプルな和声や直線的なビートの印象が砂埃を巻き上げて覆おうとしても輝きが突き抜けてしまいます。歌い回しのはしばしが細かい。ペンタトニックスケール的に跳躍を強いられるはしごを縦横無尽にEasyにふわふわと自在してしまうのです。コーラスのふしまわしも、実はこまかくコーラスごとに違いをつけていたりするんです。直線的で実直なイメージの和声やビートにつられてほいほいと私も引き寄せられていきますと、案外緻密に計画しているんだぜ!ついて来られるかい? としっぺ返しを受けます。
最初のヴァースから名フレーズ“Take it easy”のコーラスにつながる流れの良さが見事です。ヴァース8小節ですぐコーラスにつながるのです。求めているものの輪郭を、まずはスッとスマートに魅せてくれる。シゴデキのディーラーかよ。宝石売りか車売りだったら業績首位だろ。
周囲との関係に振り回されたり、環境にほんろうされたりすることも多いでしょう。幹線道路の景観の変化はゆっくりであったとしても、ずっとずっと自分の道を行かざるを得ないのですから腐る暇は惜しいです。気楽に行こうぜ、と肝に銘じるくらいでちょうど良い。あなたも私もちょっとがんばり過ぎるからです。世界に向かってそう言ってくれている気がする。器の寛い曲なんです。
ギターパートの厚いこと。右にストラミングのメインのアコギ。左にはエレキでしょうか。後半にはバンジョーが右に目立ってきます。12弦のギターが含まれているのかな、しゃわしゃわと陽光のように降り注ぐきままさと柔らかさがあり、豊かな響きです。ベースとドラムは直線的なイメージを築く筆頭株です。後半のほうで、バンド全体で食い(移勢)を交えてまっすぐな道にちょっと段差やでこぼこをつけトラックの荷台が跳ね上がります。シートベルトはちゃんと締めているかな?
青沼詩郎
『Take It Easy』を収録したEaglesのアルバム『Eagles』(1972)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『Take It Easy(Eaglesの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)