With a Girl Like You The Troggs 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Reg Presley。 The Troggsのシングル、アルバム『From Nowhere』(1966)に収録。
The Troggs With a Girl Like You(アルバム『From Nowhere』収録)を聴く
じゃみっ、ごそごそっ、とささくれたような、あるいは濡れ手で粟するような、周囲の空気を粘着する独特の存在感あるリードボーカルが印象的。全編ダブルトラックになっています。ハーモニー、あるいはシンガロングしても良さそうな曲のシンプルなキャラクター。
この”ba ba ba…”のスキャットの量が絶妙。これ以上多くても冗長になってしまうし、これくらいしっかりとやらないと君の心に対して存分に開いた姿勢を示すのに不十分。そして私はほいほいとやられるわけです。
(この曲の誘引力にやられたのはザ・スパイダース(選曲の動機の詳細までは分かりかねますが)。アルバム『スパイダース’67 アルバムNo.3』に『僕はあなたに首ったけ』として収録しています。)
ベースギターがボーカルメロディに帯同しているのが印象的です。おかげで、Cのコードを鳴らす強拍の瞬間に低音でGが鳴っている、瞬間的には第2転回形の様相。“ba ba ba….”を歌っているあいだ、このポジション特有の浮遊感が主人公の心を表現するかのようです。恋はふわふわと、足場を求めて漂うものよ。バババン……
ぼつ!どつ! とスネアの衝突音と残響が印象的。短く抑制されたサウンドでありながら余韻が深く、浮遊するベースとバランスをとります。チャ!とカッティングするギターのリズムパターンとサウンドもまた、ベースギターとドラムのサウンドと補完しあいます。キャラクターの強いリードボーカルもあいまって、シンプルですが総合的なバンドサウンドとしてバランス感がよく、モノラルの音像の中で棲み分けと一体感を両立しています。これはカバーしたくなるわけです。
ビートルズを聴いていると発音や言葉の選び方や当て方が逐一気持ちよくて、英語の学習素材にするならビートルズソングはうってつけ!の論調は世間に数多聞きますが、トロッグスのレパートリーもまた英語独習者の私の耳になじみがよく、シンプルな曲調もあいまって聞きやすい。カバーしたくなるわけです。
青沼詩郎
参考Wikipedia>With a Girl Like You、The Troggs
参考歌詞サイト JOYSOUND>With a Girl Like You
『With a Girl Like You』を収録したThe Troggsのアルバム『From Nowhere』(1966)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『With a Girl Like You(The Troggsの曲)ウクレレ弾き語り』)