まえがき

デビー・レイノルズの柔和でドルチェなタッチの歌声が耳に福。 ヴァースからブリッジに入ると、テンポが自由に急き込んだり緩急がつくフィール。リズム面で支配的なパートがないので、ボーカルやストリングスのアーティキュレーション、呼吸が謳歌するように伸び縮みするような印象を受けます。 オードリー・ヘプバーンやジュリー・アンドリュースが登場する前から活躍していたという彼女の主演する映画の劇中歌。飛行機乗りの青年との恋が描かれるという映画、見てみたいです。 モータウンレコードのまたの名?「タムラレコード」の名前の由来がこのTammyだということで知り、初めてちゃんと聴きました。日本人の「田村さん」が携わっているとかそういうことではないそうです。

恋してる「Tammy」 映画“タミーと独身者”より、Debbie Reynolds 曲の名義、発表の概要 

作詞:Ray Evans、作曲:Jay Livingston。映画『Tammy and the Bachelor(タミーと独身者)』(1957)より。Debbie Reynoldsのシングル(1957)。

Debbie Reynolds Tammyを聴く

杭を打ってタテの点を決めるリズムパートがないのです。こういうトラックって、指揮者がいて収録しているのかなと思います。ボーカル録りもひょっとしたら同時でしょうか。

リズムが穏やかなぶん、ストリングスの弓が弾く和声の壮麗な質感、厚みが相対的に意識されますがその聴き味は至極穏やか。質量感あるオケの上に、デビーさんの愛らしくやさしくはかなげな歌唱が乗りロマンチックです。

チラン……とマレットパーカスが奥ゆかしく、遠くの街灯のようなはかなげな光をそえます。ビブラフォンなのかグロッケンなのか。点を決めるパートの陰は薄いですが、ハープのポンポン……というアルペジオが最もそうした「分割」を演出するパートかもしれません。ミヤビです。

エンディング付近であらわれるヴァイオリンソロが泣かせます。強靭で紳士なビブラートに確かな演奏力を感じます。どなたがソリストなのでしょう。

Tammyを演じる役者自身が、Tammy, Tammyは恋してる……と歌う。自分のことを客観視した歌といったところでしょうか。

青沼詩郎

参考Wikipedia>Tammy (song)Tammy and the Bachelorデビー・レイノルズ

参考歌詞サイト JOYSOUND>Tammy

Debbie Reynolds Official websiteへのリンク

『Tammy』を収録したDebbie Reynolds『Love Is a Simple Thing』(2010)

『Tammy』を収録したDebbie Reynoldsの『MGM & Coral Singles Collection 1951-1958』(2022)

【寸評つき】恋してる『Tammy(映画“タミーと独身者”より、Debbie Reynoldsが歌った曲)』ギター弾き語り