ロックリフ The・これシリーズ

グバっとした音色のブルージーなスケールに根差したギターリフ、かと思えばウロウロと徘徊し逡巡(ためらい、しりごみ)するようなコード進行。長2度下のFメージャー調でウロウロしⅠ→Ⅲm→Ⅶ♭→Ⅴ。何かが解決したかと思えば、逡巡と堂々巡りに回帰することで解決をはかる永遠のサスペンド(宙吊り・先送り)を強く肯定するドラムのビート。同じヴァース&ブリッジ(コーラス?)の組み合わせをきれいに2回繰り返す簡潔さが清々しい。「ロックリフといえばこれ」を思い浮かべれば私の頭の中はキンクスのサウンドまっしぐら。

Tired of Waiting for you The Kinks 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:Ray Davis。The Kinksのシングル、アルバム『Kinda Kinks』(1965)に収録。

The Kinks Tired of Waiting for youを聴く

クリーンクランチなうろうろするようなアルペジオのギターと、グバっとしたGとFのコードを繰り返すエレキギターのリフ。リフのギターはひょっとしてピッキング一回でスライドを用いてGとFの切り替えしている? ようなぬるっと感があります。

リードボーカルにユニゾンのダブリングが施されています。エレキギターのリフにしても、リードボーカルにしても案外私の感じる熱量が低い。諦観の境地から嘆きを唱えている感じがするんです。私の記憶の中では、アツいリフ、熱量が高くて開放的なギターやドラムやボーカルのニュアンス、といった印象があったつもりなのですが、久しぶりにあらためて聴いてみると、思ったより演奏が平熱な感じなんです。そこがこの楽曲の主題のとおり、君を待ちくたびれちまったよ、もう……といったアプローチなのかもしれません。

しかし後半にむけてバンドの演奏の熱量は高まっていくのは確かだと思います。ドラムもパターンのなかにドコド……といったようなタムをおりまぜ、ウロウロと逡巡していたクリーンクランチなエレキギターのアルペジオはいつしかじゃみじゃみとストラミングしている。待ち疲れた……待ち疲れた……待ち疲れた!だんだん精神的に声デカになっていくような、反復の連鎖に見出す高揚感があるのもこの楽曲の確かな魅力だと思います。

青沼詩郎

参考Wikipedia>Tired of Waiting for YouThe Kinks

参考歌詞サイト JOYSOUND>Tired of Waiting for You

The Kinks Official Siteへのリンク

『Tired of Waiting for You』を収録したThe Kinksのアルバム『Kinda Kinks』(1965)