青い果実 ザ・ワイルドワンズ 曲の名義、発表の概要
作詞:山上路夫、作曲:加瀬邦彦。編曲:森岡賢一郎。ザ・ワイルド・ワンズのシングル(1968)。
ザ・ワイルドワンズ 青い果実を聴く(CD『ザ・ワイルド・ワンズのすべて+3』収録)
ユニゾンのリードボーカルの音像に、歌謡やアイドルソングとGSバンドが同列だった商業音楽の群雄割拠図?を思います。同列、あるいは最も流行っていた時期は率いるお頭・筆頭という感じだったのかもしれません。可憐な歌唱のニュアンスと短調のものがなしい響き。これぞGSという感じがします。
ドラムスがカツカツとオモテでスネアのリム、ウラでゴツゴツとキックをいれる。案外おもしろいプレイをしています。手数が多くて雄弁なプレイでブワっと盛り上げる。ダイナミクスがあって素敵なドラムです。右に振ってあります。ひっこむところはひっこむ。ぐいっと手数で急き込み、華ばなしくみせるところはみせる。
左に鋭いサウンドのギター。グロッケンもいます。そしてピーピーとラウドなオルガン。高域のトガリを左トラックで表現します。エンディングのオルガンのピーピー具合がすごい。耳あたりのマイルドなヘッドフォンで聴いてやっとちょうどいい。手頃な値段のイヤフォンで聴くとオルガンの高域が刺さってきついかもしれません。
バンドなのですが、ストリングスが和声を支える、ちゃんとできたつくり。商業音楽界におけるGSの位置付けを思わせます。編曲者がいるのですね。森岡賢一郎さんです。
GSバンドはピンキリだと思います。編曲者がいる『青い果実』ですが、それでもバンドとして演奏がカッチリしている、わたしのつまんない形容ですが演奏が「上手い」と思います。
まんなかで支えるベースのあたたかな存在感、ダイナミクスのあるボーカルやドラムス。おきまりのギターのオブリガードのサウンド。GSといえばこれ、と紹介するさいに「(ワイルド)ワンズ」はマストです。
ライブ音源 ザ・ワイルド・ワンズ・リサイタル’68 [ Live At 東京サンケイホール / 1968 ]
常に「黄色い歓声」。サビ前でオーディエンスがいっそう加熱します。ブンブンとベースのひろがりと厚みのあるサウンド。間奏のギターソロで「どうした?!」というくらいの歓声。間奏後サビ復帰でさらに「どうした!?!?」というくらいの歓声。ギターもベースもコンプが効いたバビョーンと伸びる感じのサウンドです。人気がすごい。
青沼詩郎
参考Wikipedia>青い果実 (ザ・ワイルドワンズの曲)
『青い果実』を収録した『ゴールデン☆ベスト ザ・ワイルド・ワンズ』(2011)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『青い果実(ザ・ワイルドワンズの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)