ジョニー・ティロットソン。ごきげんで幅が広い楽曲、明るいキャラクターをイメージさせる歌声が魅力です。

Cutie Pie Johnny Tillotson 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:Johnny Tillotson。Johnny Tillotsonのシングル『Cutie Pie / Without You』(1961)に収録。

Johnny Tillotson Cutie Pieを聴く

『涙くんさよなら』を柔和なソフトタッチで歌ったジョニー・ティロットソン。そちらとはうってかわってこちら『Cutie Pie』はロックンロールです。

明るくてはつらつとした声質がさわやかです。“A cutie pie, yeah, yeah……”のコーラスが頭の先からプールに卒倒するかと思うくらい単純明快。

Pieってなんでしょう。焼き菓子の「パイ」を想像しますがcutie pieとひとつづきで用いると、かわいい君、みたいな愛着や崇めている感じが表せるようです。まぁ、お菓子(あるいはミートパイといったお食事系もあるかもですが)の「パイ」も崇めたり強い愛着を持ちたくなったりするくらい美味しくて魅力的ですから最終的にはどうでもいいでしょう(雑すぎ?)。

モノラルの音像がぶっとび感。低域がぼこっとアツくパワフルです。

ベースはルート音、それからルートから3度の音を短2度下からずり上げてとるような印象の音形で和声の基礎を敷きます。ドドミミソソラソ……みたいなダイアトニックの分散和音+6度音を含めたような動きも魅せます。

ドラムスのキックの音がほとんどわかりません、入っているのかな。スネアがマイルドかつパワフルなインパクト。「タタ、タン」といったスネアパターンが愚直な2・4拍目の単発のショットでの強調よりも躍動とノリを強めます。ビートがぐいぐい前に進む感じ。

女声のバックグラウンドボーカルがキューティ・パイのみずみずしいシズル感を演出します。

ザクザクザクザク……とパイをかじったときの歯触りを表現するみたいなエレキギターのシングルストロークのダウンビートが歯切れが良い。パリっとして弾ける印象です。

ソロはエレキギター・約8小節程度、最低限ですが魅せます。ジョニー自身が弾いているのかな? スタジオミュージシャンか? 未確認です。

甘くさわやかでハナのある歌声ですが音楽性は案外ロックンロールしています。心がブルブル震える感覚です。『涙くんさよなら』的なイメージの方がむしろジョニーのなかではサブストリームな感じなのでしょうか。

ヴァースがリズミカルでたたみかけるスリリングなボーカリゼーション。リードボーカルのうしろでバックグラウンドボーカルがコーラスのときの「yeah, yeah ye ye……」のフレーズを再現しているのが気の利いた仕掛けになっています。シンプルで正面衝突な曲想ですがアレンジメント含めて好きです。

青沼詩郎

涙くんさよなら Namida Kun Sayonara

ジョニー・ティロットソンが歌う『涙くんさよなら』。フルートが可愛い。ボーカルハーモニーがトロットロに甘美です。グロッケンがきらきら涙のかがやきを想像させます。

伊東ゆかりが歌ったキューティー・パイ

突進力とパワーを感じる歌唱が飛んできます。歌詞「神様が」のとろこの字脚が突っ込み気味な輸入感。日本でのティロットソンの知名度・人気度を上げるのに貢献したカバーのようです。日本語詞はあらかはひろし参考:歌ネット>キューティ・パイ)。

参考リンク

参考Wikipedia>Johnny Tillotson (En)ジョニー・ティロットソン

参考歌詞サイト 歌ネット>Cutie Pie(前川清名義のカバー)

Johnny Tillotson Webサイトへのリンク

NIGHT BEAT RECORDS Webサイト>Johnny Tillotson – Cutie Pie / Without You レコードEC店 NIGHT BEAT RECORDSさんのサイトがこのシングルとアーティストに関わる概要を紹介しています。オケの指揮はアーチー・ブライアー氏だそうです。

アーチー・ブライアー(ブレイヤー)は音楽監督、バンドマスター、指揮者でケイデンス・レコード(Cadence Records)の設立者。彼の目にとまってケイデンスと契約したのがジョニー・ティロットソン、という関係です。

『Cutie Pie』を収録した『Johnny Tillotson’s Best』(1962)

『Namida Kun Sayonara (Goodbye Mr Tears) 』を収録したJOHNNY TILLOTSONのコンピレーション『TRAVELIN’ ON FOREIGN GROUNDS』(2014)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『Cutie Pie(Johnny Tillotsonの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)