ラジオでかかるとアガるんですよね……

Dancing Queen ABBA 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:Benny Andersson(ベニー・アンダーソン)、Stig Anderson(スティッグ・アンダーソン)、Björn Ulvaeus(ビョルン・ウルヴァース)。ABBAのシングル、アルバム『Arrival(アライヴァル)』(1976)に収録。

ABBA Dancing Queenを聴く

複数のボーカルトラックの音像が壮麗です。リードボーカルも複数基本で歌っている感じですし、バックグラウンドボーカルも当然のことながらぶ厚い。みんなのアンセム然とする音像の資格を地で満たす見本です。

ドッ、カッとドラム。1・3拍目にキック、2・4拍目にスネアを基本としますが、パターンのなかにドッ、カッ、ドカッ・カ!(ド・ッド……)などと変化を折り込み、恒常な安定感と機知に富むバランス感が飽きさせません。誰も置いていくことなく、腰を浮かせ、脚を躍動させ、頭の上で最大のクラップを轟かせ音楽に加わりたくなる万人向けで普遍なビート・グルーヴです。

この器の広いドラムトラックに対してベースがグルーヴィです。分割の提示とともに、ぐいぐい進む感覚を私の血液のなかに流し込む……私の体は順次麻酔がまわるみたいにトロけていきます。

ストリングスと声の層が厚い。ストリングスはもうこの楽曲の発表年くらいの時代になると、生のオケでなくキーボードをデバイスに演奏するシンセサウンドの類なのかなと思います(実際はどうかな?)。バンドのタイトな音を立体にする非減衰サウンド。

ピアノトラックが2パートは少なくともいる感じです。例えばギターをダブリングするバンドサウンドは世に多いですが、ピアノを複数台、積極的な意図としてダブるのは世の大衆音楽の楽曲のなかではいくぶんマイノリティでしょう。16分割で引っ掛けるようなリズム系のモチーフで、高いところからふわっと聴衆の頭にオーロラカーテンをのせるみたいなオブリガードのピアノ。それから恒常的に16の分割と移勢したリズムストロークを担うピアノ。部分的にはユニゾンで同じストロークをダブっているみたいにも聴こえます。このグループはギターの荒々しいサウンド、あるいはピタっとした鋭くキレの短いサウンドで聴かせるグループではないのです。じんじんと広がりのある響きとうわっと広がる声や楽器ののびのびとした描線によって、鑑賞者を開放感でいっぱいにしてくれる。

ダンシング・クイーンは君たちグループだ!ともいえますし、この曲を接点につながるみんながダンシング・クイーンなのです。

青沼詩郎

参考Wikipedia>ダンシング・クイーン

参考歌詞サイト KKBOX>ダンシング・クイーン

ABBA | アバ ユニバーサルミュージックサイトへのリンク

『Dancing Queen』を収録したABBAのアルバム『Arrival(アライヴァル)』(1976)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『Dancing Queen(ABBAの曲)ウクレレ弾き語りとハーモニカ』)