ふたりの愛ランド 石川優子&チャゲ 曲の名義、発表の概要
作詞:CHAGE・松井五郎、作曲:CHAGE。石川優子とチャゲのシングル(1984)に収録。
石川優子&チャゲ ふたりの愛ランドを聴く(『ポプコン スーパー・セレクション 石川優子 ベスト』収録)
ニヤニヤさせます。好いですね。楽曲のWikipediaページにシャレでつくったような旨があります。一級のシャレといいますか、一級の場所でC級のシャレをやるようなおかしみがあります。コレがヒットする時代……イイなと思います。いつの時代もイイですよ、もちろん。今の時代のヒット曲だって、70年前のヒット曲だって似たようなものでしょう。
ELO(エレクトリックライトオーケストラ)みたいです。好いですね。ズクズクズクズク……と8ビートで押し出すエレキギター。これです。ズン、トゥン、ズン、トゥン……リズムが時代を感じさせるエレドラの隆盛の時代って感じがします。CCBとかも思い出しますね。タムのフィルで左右に広がりを出します。鉄則のような定位づけです。
石川さんがリードボーカルの局面が多いです。ヴァースの返しのところだけ、男声としてはかなりの高いポジションでチャゲさんのハイトーンボイスがスライディングをキメるベースボールプレーヤーみたいに走り込みます。下ハモしたり、オクターブ下でリードボーカルと同じ音名を歌ったりします。
エレキのズクズク感が、離陸するジェット機を思わせます。こういう、恒常的なまっすぐな8ビートってワクワクや離陸、飛行機を想起します。米米CLUB『浪漫飛行』にも通ずるものを覚えます。
最後のサビの折り返し(繰り返し)のあたりでリードギターが雄弁に動き出します。夏の陶酔です。キーボードのメロメロのシックスティーンの細かい分割はまるでプログレです。熟達した音楽の精通者の一級の洒落という感じがします。歌詞はC級……いえ、B級です(暴言)。この歌詞をチャゲさんと松井五郎さんの共作としているところがなおニヤリとさせます。共作するほどのアレでしょうか(暴言)。いえ、ちがうんです。筆がノっているので、スラスラっ!とポップソングの達人が一瞬でモノした歌詞に思えるからです。
1サビ終わりの間奏のドーシーファ#ー……という独特の歯が浮いたようなF#の音程が良いですね。
心を浮遊される全霊のミュージック・エキスパートの洒落です。
青沼詩郎
『ふたりの愛ランド』を収録した石川優子の『ベスト・コレクション』(1992)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『ふたりの愛ランド(石川優子&チャゲの曲)ギター弾き語り』)