まえがき
1977年、解散へと向かうキャンディーズが出した5枚組みのLPにこんな曲が含められていたなんて。2025年7月に放送や配信を開始したCGアニメーションの『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』を好奇心をぶち抜かれつつ、このキャンディーズ曲の存在についても初めて知りました。 着実に進んでいくテンポを16分割した、ファンキーなグルーヴ。ちょっとなげやりな「あいつなんか」のリフレインが印象的、「銀河系まで飛んできゃいいのに」と続くフレーズがさらに印象的。ピアノやラテンパーカス、挑戦的な曲調にコミットされたお琴の音色がさらに印象的で衝撃。多動で、予測不能で、まるでティーン・エイジャーの挙動や心の動きのようなメロディ、和声展開もまた衝撃。1970年代後期の作品だろうと今この瞬間聴いても斬新。 この曲に出会った衝撃も含めて銀河特級です。
銀河系まで飛んで行け! キャンディーズ 曲の名義、発表の概要
作詞:喜多條忠、作曲:吉田拓郎。編曲:馬飼野康二。キャンディーズのアルバム『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』(1977)に収録。アニメーション『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』(2025)主題歌。
キャンディーズ 銀河系まで飛んで行け!(アルバム『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』収録)を聴く
キャンディーズがボーカルグループとしても特級であるとのお告げが私に降りてきて背筋に流れ込みました。このボーカルユニゾンのパワーと引き締まった輪郭が凄い。ソロシンガーのオーバーダブでも、アイドルグループの群像の描線とも違うのです。この三人である、絶対的必要性。銀河の真理かよ。
ラテンパーカスの音色はトコトコと非常に耳あたりがまろやか、ドラムスの耳あたりにも近い印象があります。ベースの16分割、あるいはそれ以上の解像度を含んだグルーヴ。右寄りに例のお琴がいる感じ。ピアノもいるのか、クラヴィネットなのか、じんわぁ〜、ばみょ〜ん、となんの楽器なのか正確に特定しかねるサスティンのコシとうねりを感じもします。ぴしゃんとほとばしる音色はときおりお琴なのかピアノなのかよくわからない。多様なバックグラウンドをもつモチーフが渾然一体となった銀河級の多民族国家を成しています。
キビキビとした動きのストリングスとブラスの好戦的、アクロバティックなアティテュードにも目をみはります。また、ストリングスのボウイングしながらのグリッサンド、カーブする音程のニュアンスが轟く印象を私の耳に焼き付けます。
この革新的なイメージが、この曲を私が知るきっかけになった『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』の印象と重なってオタクの私を扇動します。私の心の銀河特急も止まらんのです。
青沼詩郎
参考Wikipedia>CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜
キャンディーズ_CANDIES Offcial Channelへのリンク
アニメーション 銀河特急 ミルキー☆サブウェイへのリンク
『銀河系まで飛んで行け!』を収録したキャンデイーズのアルバム『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』(1977)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『【寸評つき】衝撃も特級 銀河系まで飛んで行け!(キャンディーズの曲)ギター弾き語り』)