田舎へ行こう! Going Up The Country 忌野清志郎 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:忌野清志郎。忌野清志郎のアルバム『RUFFY TUFFY』(1999)に収録。
忌野清志郎 田舎へ行こう! Going Up The Country
和を感じるオトが詰まっています。“FUJI ROCK FESTIVAL ’99公式テーマ・ソング”(Wikipedia参照)とあります。数人のおねーちゃんおにーちゃんが自然のなかでキャンプしている。簡易卓や火や炉を囲んでいる、深夜や朝やを思わせる。情景が浮かびます。談話、談笑。音楽。環境音。
トリの声がサンプルされているのでしょうか。都会にいるスズメの軽いチュンチュンとちがって、ホゥー!とかフォー!といった躯体のしっかりした鳴りを感じる鳥の声です。
鳥の声と会話を試みているような笛の音色が頻繁にオブリガードし、アクセントの要の楽器となっています。ケーナみたいな縦笛の音なのかなと思いましたが、そういえば忌野清志郎の操る楽器の一つにフルートがあったなと思います。でもこの録音に入っている笛はやっぱりフルートよりも空気の漏れの多い、ラフな感じの笛の音色に聴こえるのですが実際はどうなのでしょう。エンディング付近では『静かな湖畔の森の影から』のメロディが混信してきます。The Beatlesの『All You Need is Love』にまぎれてくる『She Loves You』みたいですね。自作であっても多作であっても、ほかの楽曲のモチーフを自作に導き入れる遊び心は達者な表現の常套手段です。すべてのオリジナルは先人のコピーのカクテルだという極論も世にはあるくらいですしね。
エレキギターの間断ないアルペジオ。8分音符で埋め尽くすリズム形はまるでさんさんと降り注ぎつづける陽光、こもれびのカーテンです。あるいは雨もフェスにはつきもの。しんしんと身を、野原(フロア)を濡らし続ける雨の象徴かもしれません。
ピロピロ、クワーっとオルガンが地味めではありますがしっかりと質感、和声の響きの素地固めに貢献します。
カツっとしたドラムのサウンド。ペンタとニックスケールっぽいフレージングで動きつづけるベース。音の数は決して多くはないのに賑やかな印象なのはガヤっぽいバックグラウンドボーカルのおかげ、あとは先に述べたとおり鳥の鳴き声の環境音や笛の音色のおかげでしょう。そうか、既成の楽器パートの音数は絞られているのですが、型にはまらない自由な音声が種々込められているので豊かな「和」、協調が聴こえてくるのですね。勝手ながら独り合点、腑に落ちた気分です。
左の男声、右に女声で英語のフレーズのオブリガードというのかレスポンスのボーカルを添えます。キャンプサイト、あるいはフェスの客席のようなある主のイモっぽさを含んだレスポンスが風通しのよさを私におもわせますが、風の通り道に忌野清志郎さんによるものと思われるバックグラウンドボーカルが鋭く通り抜けます。ガヤっぽいバックグラウンドボーカルがユルくイモっぽい(いい意味で)のもあって、忌野さんのバックグラウンドボーカルパートの描き込みの鋭さ、質量の剛強さがより引き立っています。さすがフロントマン、キング・オブ・ロックといった風格を細部に匂いとります。
エンディングはバンドがフェードアウトして、いつのまにかアコギのストラミングとボーカル、ガヤ(失礼、バックグラウンドボーカル)、鳥の声などが残ります。幾晩も、地球上あるいは異次元の森のどこかでこんな「和」の夜が明けては陽が昇りを繰り返しているんだろうな。
出不精なのでフェスやなんかにはあまり行ったことのない私ですが、一生に何度かはフジロックのサンクチュアリに立ち入ってみたいですね。
この楽曲がフジのテーマソングとして当時いかに扱われたかについての情報、メディア、特に一次的な体験談や記事・記録・書籍などに私はまだあまり出会えていないので今後の音楽愛好人生にわたってアンテナを巡らせたいところです(あの木の上で鳴く鳥みたいな高い目線でね……)。
青沼詩郎(こんな音楽ブログを毎日書き散らしている割にはフェス素人)
参考歌詞サイト JOYSOUND>田舎へ行こう! Going Up The Country 忌野清志郎
RCサクセション・忌野清志郎デビュー55周年。2025年4月2日、忌野清志郎『LAST LIVE at 京都会館2008』“忌野清志郎の最後のワンマンライブの音源”がリリースされます。1951年4月2日生まれの忌野さん。この音源のライブが開催された2008年3月2日当時は56歳だった計算になります。
『田舎へ行こう! Going Up The Country』を収録した忌野清志郎のアルバム『RUFFY TUFFY』(1999)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『田舎へ行こう! Going Up The Country(忌野清志郎の曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)