まえがき
儚げなFmの出だしで根音から9度のボーカルメロディの音程がきわめて印象的で、カーペンターズのカバーで知っている方も大変多いことと思います。 ひとこと、ふたこととフレーズを重ねていくとともに、ボニーの歌唱の凄みを誰もがすぐさま直感するのではないでしょうか。コーラスでは先にバックグラウンドボーカルが出てメインのフレーズを唱え、それに対してリードがおおいかぶさってくる構図は私個人としてはThe Ronettesの『Be My Baby』なども思い出します。 ソングライターのレオン・ラッセルはピアノで参加。雄弁で絢爛なプレイです。オブリガードする哀愁たっぷり(ブルージー)かつ表情豊かなギターはエリック・クラプトンのおしるしという感じ。カーペンターズバージョンの知名度もさながら、ご本家も素晴らしい実演内容です。
Groupie(Superstar) Delaney, Bonnie & Friends feat. Eric Clapton 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Leon Russell、Bonnie Bramlett。Delaney, Bonnie & Friends feat. Eric Claptonのシングル『Comin’ Home』(1969)のB面、Delaney, Bonnie & Friendsのアルバム『D & B Together』(1972)に収録。
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右にドラム、左にベースときっぱり分かれた定位。バックグラウンドボーカルも右寄りの定位で、男声1本に女声1本の合計2本の歌唱がバックグラウンドボーカルの内訳でしょうか。記憶の中では壮麗で分厚い印象だったのですが、ヘッドフォンでステレオを聴いてみると案外セパレーションが非常によくすっきりと聞こえます。しかしその歌唱の熱量によって、バックグラウンドボーカルはちゃんと奥から聴こえてくるにもかかわらず、圧倒する印象を私にもたらすのだと思い直します。
ドラムスの16分割のシンバルの分割が繊細かつグルーヴィーで、フィルインでさらにはっとするような細かく緻密な分割をみせる手だれぶり。ピアノも非常に絢爛でクロマチックですべるようなフィルインに相当の技量を感じさせます。アコギのストラミングもうっすらかさなっているでしょうか。左寄りのエレキギターはヘッドフォンで聴いてみると音質的には非常に調和しておりマイルドな存在感です。なめらかなフレーズの描線が一級品。生命感があってブルージーなエレキギターです。
2回目のヴァースで目立ってくるストリングスの特定のパートですが、デラニーさんの弾くチェロなのかなと思いましたが案外音域が高い。チェロはかなり低い音域から高い音域まで出ますが、この描線の演奏は誰のものなのでしょう、デラニーさんであっているのかな。
バックグラウンドボーカルとリードボーカルがおおいかぶさりあいながら熱量をもってかけあう印象を音源に対して抱いていたのですが(イヤフォンで適当に聴いていた頃)、あらためてヘッドフォンで聴いてみるとセパレーションがよくて空間がちゃんとあることに気づきました。いずれにしてもすばらしい。良演、良録音です。
9度の音程での歌い出しが金。もうこの印象の強烈さで一生聴けます。
青沼詩郎
参考Wikipedia>スーパースター (デラニー&ボニーの曲)、デラニー&ボニー、D&Bトゥゲザー
参考歌詞サイト Genius>Groupie(Superstar)
『Groupie(Superstar)』を収録したDelaney, Bonnie & Friendsのアルバム『D & B Together』(1972)