海賊キッドの冒険 サンズ・オブ・サン 曲の名義、発表の概要

作詞:松本隆、作曲:柳田ヒロ。サンズ・オブ・サンのアルバム『海賊キッドの冒険』(1972)収録。

サンズ・オブ・サン 海賊キッドの冒険を聴く

”天気晴朗”という表現を私は知らなかったのです。“電気せいろ”? なんだかおいしいお饅頭を蒸せそうな昭和の電化製品かと……

天気晴朗、と来れば、“なれど波高し”とつながるのはちょっとした歴史好きにはおきまりの文句なのかもしれません。これ、なんていっているんだろう? と思って検索してみてから知った事実です。

独特の高めのポジションの抜けるキャラクターのボーカリストはMAOさん。私は最近知ったシンガーで「幻の」と冠をつけて称されることがあるそうです。ダブルのボーカルが存在感ある声の特徴をつよめます。ハーモニーに分かれるところも空虚な完全音程の響きが平静で、かえって主観的な感情をどう解釈すべきかリスナーに想像させます。

間奏はストリングスが目立ってきます。弦の編曲はどなたのか。バンドメンバーあるいは柳田ヒロさんがなさっているのか。間奏で弦のリードにバックグラウンドボーカルがモゾモゾと競り上がってきて、コラージュを添えます。シンプルで、バンドメンバー+ストリングスで再現できそうなパートのなかで耳を引く動きが諸々つまっています。このフィールだと、ボーカリストは楽器を弾かないで歌う感じのグループの音っぽく私は感じます。

左右にダブったアコギのちゃきちゃきした存在感あるオープニング付近。ピアノのサウンドが朗々と、闊達です。こういう抜けてきて輪郭とアタック、響きの両立したピアノの音はすこぶる気持ちいい。宅録でもこういう音を得たいですが難しいのです。

聴きやすいし、実直にカッコイイ。シンプルにも一見みえるので真似したくなります。コードとかボーカルのメロディとか、それに合いそうな弾き語りのリズムとかを探って真似してみる。これが案外難しい。かなりの猛者の集団がさらっとやってのけています。あとから曲のレベルの高さに驚愕するのです。

青沼詩郎

参考Wikipedia>柳田ヒロ

参考 タワーレコードオンラインサイト>海賊キッドの冒険

『海賊キッドの冒険』を収録したサンズ・オブ・サンの同名のアルバム『海賊キッドの冒険』(1972)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『海賊キッドの冒険(サンズ・オブ・サンの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)