悲しみは雪のように 浜田省吾 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:浜田省吾。浜田省吾のアルバム『愛の世代の前に』(1981)に収録。シングルカット(1981)。1992年、再録バージョンのシングルをリリース。

浜田省吾 悲しみは雪のように(アルバム『愛の世代の前に』収録)を聴く

アルバム『愛の世代の前に』(1981)収録版は編曲:水谷公生。Chorus:町支寛二。

ドラムス、ベース、アコギ、12弦ギター、ピアノ、オルガン、コーラス。バンドメンバーを率いて高い再現性でライブパフォーマンスできそうなアレンジとサウンドが好感です。

左右にアコギがダブってあり、音像を広げます。ボーカルの隙間に12弦のアコースティックギターがオブリガードをいれます。輝かしい音色ですし、複弦の揺らぎは時も地域の隔たりも飛び越える魅力があります。

ドラムスの的確で太く、かつ鋭くもある音色。ベースのズモっとした伸びと一瞬のアタック感はピックでの演奏でしょうか。タイトなドラムとテクスチャに特徴のあるベースが好タッグ。

イントロやコーラスの間は、ベースが8分音符を短く切る表現で変化を出します。このグルーヴの上でオルガンがピローっとマイルドで愛嬌のあるサウンドを描きます。シンプルですが係留音やリズム、旋律の要素の塩梅が絶妙なオルガンプレイです。

誰もが泣いてる I’m crying for you

涙を人には見せずに You’re crying for him

誰もが愛する人の前を He’s crying for her

気付かずに通り過ぎてく She’s crying for me

『悲しみは雪のように』より、作詞:浜田省吾

人は孤独のあつまりである。この本質を射抜くコーラスです。浜田さんのリードボーカルを追いかけるコーラスのフレーズに震えます。ぼくは君に泣き、きみは彼に泣き、彼は彼女に泣き、彼女はぼくに泣く。

三角関係ならぬ四角関係みたいにも思えます。あるいはぼくと彼、彼女ときみはそれぞれ同一人物のようにも読める多重の味わいがあります。

誰もが、と歌い、Wow……の部分を含めてリードボーカルの旋律が完成します。一人でも歌えるでしょうし、オーディエンスあるいはサイドボーカル・バックグラウンドボーカルによる補完でも成立しそうな言葉と旋律です。

雪っぽさをひけらかすようなサウンドではありません。一年中聴けそうですし、もちろん冬に聴くといっそう沁みます。

悲しみに季節はない。あるいは、悲しみという観念はつねに冬の世界にあるものなのかもしれません。人肌恋しい季節です。

青沼詩郎

参考Wikipedia>悲しみは雪のように愛の世代の前に

参考歌詞サイト 歌ネット>悲しみは雪のように

浜田省吾 – Road&Sky group へのリンク

『悲しみは雪のように』を収録した浜田省吾のアルバム『愛の世代の前に』(1981)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『悲しみは雪のように(浜田省吾の曲)ギター弾き語り』)