まえがき
カネボウ夏の化粧品キャンペーンソング。広告代理店によるキャッチコピーが楽曲の曲名(主題)になっているようです。 情熱的なブラスセクションに、非常によく動くリードボーカルのメロディがアグレッシヴな果実の気持ちの動きのよう。編曲者は新川博さんで、1986オメガトライブ『君は1000%』の編曲者も同一です。ちなみに博さんは詩人の新川和江さんのご子息とのこと。 歌詞の字面「果実大恋愛」(フルーツ・スキャンダル)が象徴する、大胆さが前面に出た好戦的な曲想が魅力です。
君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。 中原めいこ 曲の名義、発表の概要
作詞:中原めいこ・森雪之丞、作曲:中原めいこ。編曲:新川博。ブラスセクションの編曲:新田一郎。中原めいこのシングル、アルバム『ロートスの果実』(1984)に収録。
中原めいこ 君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。(アルバム『ロートスの果実』収録)を聴く
独特の声質と豊かな表現のニュアンスある歌唱が鮮烈です。どんなオケアレンジにしても埋もれないのでは。こういう声質、歌唱のキャラクターは羨ましいですね。
ブラスセクションの情熱的なこと。リズムの移勢がトリッキーです。粘りつくような短音程、ピョンピョンと飛び跳ねるようなリズム形のリフレイン。トロンボーンのポルタメントが激映え。イントロの印象をかっさらうだけにとどまらず、歌詞のある部分にも積極的にブラスがオブリガードします。
ティンバレスにコンガ。ドラムはメインのドスっ!とパワーのある音のほかにもアクセントにもうワンキットくらい入っているのでは? ハイハットの定位が左寄りのメインだけじゃないものが鳴っているのも気になります。豊かなリズムパートよ。
スティールパンもバランスはやや奥まった感がありますがみずみずしい印象に貢献します。ラテン音楽らしい、ひっかかったつんのめったようなリズム・音形のリフレインのピアノもいるでしょうか。
曲の構成が2コーラスプラスサビリフレインのコンパクトで無駄なし。
咲かせましょうかフルーツスキャンダルのサビの締めのフレーズが全部持ってく決まりの良さよ。そりゃもう咲くよお前の勝ちだね。
メロディの動きの大きさ、あるいはねちっとした短音程の身震い、和声とのかけあいやリズム系とその踏襲のし方、あるいは破り方・発展のし方にいちいち緩急があってソングライティングのツボの良さが全開でうかがえます。中原めいこさん、すごいな。
青沼詩郎
参考Wikipedia>君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。、中原めいこ
参考歌詞サイト 歌ネット>君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。
『君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。』を収録した中原めいこのアルバム『ロートスの果実』(1984)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『【寸評つき】君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。(中原めいこの曲)ギター弾き語り』)