L-O-V-E “ラヴ” Nat King Cole
作詞:Milton (Milt) Gabler、作曲:Bert Kaempfert。Nat King Coleのシングル『I Don’t Want to See Tomorrow / L-O-V-E』(1964)、アルバム『L-O-V-E』(1965)に収録。
Nat King Cole L-O-V-E(ラヴ)を聴く
LOVEをバラして一文字ずつラインの頭にかかげていきます。改行される各ラインの頭文字を縦読みするとLOVEになる。かっこつけて小洒落ることは、ともに生きるパートナーや友人知人、ひいては全世界への愛と寛容なのではないかと思わせます。
語句の頭・オナカ・語尾、母音と子音、彼の体のひびき、すべてのテキストが彼の肉体を通って躍動します。口を大きく開かない発音のときでも豊かな響きがウィットをはく口元から溢れ出てたちのぼるよう。
1960年代中頃の作品でモノラルとステレオの過渡期(の終わり際?)の音源なのかわかりませんが、定位づけがみられます。ベースとドラムが右寄り、スチャッと鋭くて軽やかでタイトなエレキギターのリズム演奏が左にふってあるようです。
第5音からシックスを経てメジャーセブンにリーチし再びシックスに引っ込むようなカウンターラインをピアノが物静かに提示します。
私の耳が爆発しそうな祝祭的なトランペットが意気揚々と間奏を謳歌します。複数のベル(管楽器)が中低域付近でバフバフとリズミカルに和声とオブリを刻みます。なでるように甘美で凛としたストリングスが奥のほうに水流を通します。
深く暖かく自由かつ適確で豊かな彼の歌唱、収録アルバムの『L-O-V-E』は彼の最終末期の作品。肺がんで亡くなる直前の時期の作品とは思えないエンターテイメントの光がまぶしい。
“Love was made for me and you”(『L-O-V-E』より、作詞:Milton Gabler)
遠い星のようでいて、こちらと確かに目線が合っているのです。愛は権利だ。
青沼詩郎
Nat King Cole ユニバーサルミュージックサイトへのリンク
『L-O-V-E』を収録したNat King Coleのアルバム『L-O-V-E』(1965)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『L-O-V-E(『ラヴ』Nat King Coleの曲)ピアノ弾き語り』)