Love John Lennon 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:John Lennon。John Lennonのアルバム『John Lennon/Plastic Ono Band』(邦題:ジョンの魂、1970年)に収録。

John Lennon Love(『John Lennon/Plastic Ono Band』収録)を聴く

コンサートホールでリハーサルをしているソロピアノに遠くから近寄っていく気分になる音像です。

がらんとした誰もいない寂しいホールを想起させるから不思議です。

ピアノ、ジョンのダブルトラックのボーカル。アコースティックギターはピックを使わず指で撫でたようなサウンドです。低域がよく出ていてボコンボコンとピアノのダンバーの動作音のような圧力のある低音がしますがアコギのストロークにともなう低音域でしょうか。

シンプルに三和音の構成音を出すクローズド配置の左手のアルペジオに右手のメロディを載せるピアノのオープニング・エンディング。ピアノの演奏はフィル・スペクターだそうです(ビートルズの鍵盤といえばジョージ・マーティンを思い出しますがフィルなのですね)。楽曲『Love』とそれを収録したアルバム『John Lennon/Plastic Ono Band(ジョンの魂)』のプロデュースがフィルとヨーコとジョンの連名になっているもようです。

ピアノの鬱屈とした響きに、まるでもやや霧のかかった北欧あたりの森にでも迷い込んだ気分になります。

ジョンのボーカルはなげき、ささやきかけるようにソフトです。特にソロ作品のジョンのボーカルは振れ幅がありますね。優しいものは極端に甘美で優しいし、取り憑かれたように激しく叫びあげるものまであります。

はげしく叫び上げる方のジョンの格好の例『Well Well Well』

“Love is real” “Real is love”。単語を何かに置き換えて、ずーっと連ねていけそうな構文です。

それには、要となる観念、「Love」が深淵で、どんなものにも化け、どんなものにも親和し、どんなものをも包含し、どんなものをも超越する必要があります。それだけLoveの観念が巨大で、可変的なのです。だから、ずっと言い換えたり置き換えたりしてその多面性を雄弁するほどに、Love:愛の解像度があがり、全容が霧のむこうから見えてくるのです。

霧の道を割いてどうにかちいさなロッジにたどりつき、あなたと会えた。一夜を明かして朝の森に出ると昨日の霧が嘘のように晴れ……ているのか、またここからどこへ行ったらよいのか? 頭をかかえてしまうほどに昨日よりさらに深い霧に包まれるのか……

想像させます。

青沼詩郎

参考Wikipedia>ラヴ (ジョン・レノンの曲)

参考歌詞サイト KKBOX>ラヴ – Remastered 2010

ジョン・レノン ユニバーサルミュージックサイトへのリンク

『Love』を収録したJohn Lennonのアルバム『John Lennon/Plastic Ono Band』(1970)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『Love(John Lennonの曲)ピアノ弾き語り』)