まえがき

ファンキーでグルーヴィなサウンドは意外とギターレス。鍵盤ハーモニカが副旋律を奏でる哀愁。ピアノ、ドラム、ベースが協調し、あるいはそれぞれに好き勝手を爆裂させ歌い、動き回りまくります。 「あおかんで いってちょうだい」を「青噛んで 熟って頂戴」と表記するなど、もはやアウト?! をセーフにするべく対処する気もないという振り切れぶり、際どいと評してはむしろ失礼というくらいに良識を悠然と超越し、軽やかに笑っているかのようです。 ラットやリッケン、グレッチ、マーシャル、それにベンジーなどバンドマンや音楽好きにはおなじみの固有名詞を多用。東京の地名も要所にあててさらりと強く印象づけます。 おなじみのおいしいコード進行のリフレイン中心に構成するので演奏やアレンジで起伏もつけやすく、セッションもしやすい。一般の愛好者にも、弾き語りやバンドでも永く愛され続けている定番曲、いえ、殿堂入り曲に思えます。

丸の内サディスティック 椎名林檎 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:椎名林檎。椎名林檎のアルバム『無罪モラトリアム』(1999)に収録。

椎名林檎 丸の内サディスティック(アルバム『無罪モラトリアム』収録)を聴く

耳にちょくせつ張り付くようなボーカルの音像がすごいです。イ行、エ行が耳に刺さる。かと思えばア行も刺さる。もうボーカルが沈み込みや埋没と無縁なのです。どんなカントリーから出てきてもコンクリートジャングルの広告塔になる運命を背負わされているみたいな。

熱を増していく演奏。序盤から後半にかけてうずをまくグルーヴ。そんなもんかいボーイ、ヘイヘイと煽られて鼻息を荒げて応えてくるバンドがリスナーを圧倒。こちらの心臓がはち切れそう。

ピアノボーカル・ベース・ドラムを中心にしたほぼトリオ編成でこれだけ豊かでメリハリの効いた音像。真似できるものならしてみたい。孤独な鍵盤ハーモニカが哀愁。こいつだけがバンドの輪から浮いているようでもあり、こいつがいないだけですべてが陳腐にもなりうる危ういバランス感はチキンレースの絶対王者。毎晩絶頂に達して居るだけあるね。なるほど、サディスティックであるわけで、攻めて居る。

青沼詩郎

参考Wikipedia>丸ノ内サディスティック

参考歌詞サイト 歌ネット>丸の内サディスティック

SR 猫柳本線 | 椎名林檎・東京事変オフィシャルサイトへのリンク

『丸の内サディスティック』を収録した椎名林檎のアルバム『無罪モラトリアム』(1999)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『【寸評つき】 惹きつけてやまない 丸ノ内サディスティック(椎名林檎の曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)