Fairって市とかなんちゃうの?
参考サイト 世界の民謡・童謡>メロディ・フェア Melody Fair 歌詞の意味 和訳 イギリス映画『小さな恋のメロディ』主題歌として日本でヒット
フェアって聞くと私は見本市とか展示即売会みたいなものを想像するのです。だからメロディ・フェアなんて聞いた日には、なんだ? リードボーカルの旋律の審美性に着目した選曲で日がな一日プレイしまくるDJイベントだかラジオの総力特集番組かな?みたいに思うのですが全然違いました。
美しさ、それも特に女性の? それを表現するのがFairという単語だとか。公正とか、かなりのといった強調、それが十分(すぎる)量感の表現のニュアンスもあるようです。結構意味が広いですね。それはフェアじゃないよ!とか何かの談判をつけるときに言いますよね。勝負事の前提に優劣があるときなどにフェアかフェアじゃないかといった表現をつかうでしょう。そのニュアンスとは、メロディ・フェアでいうフェアは違うのです。
さらに私を誤解させていたのが、メロディ・フェアのメロディは音楽の構成要素としてのメロディ(旋律)ではなく、人名であったという点です。「美メロ総理力特集!」……全然違うやん。「美しきあなた:メロディさん」みたいな感じでしょうか。名曲を聴きましょう。
Melody Fair Bee Gees 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Barry Gibb・Robin Gibb・Maurice Gibb。Bee Geesのアルバム『Odessa』(1969)に収録。
Bee Gees Melody Fair(アルバム『Odessa』収録)を聴く
3兄弟なのですね。リードボーカルのバリーがお兄さんで3つ下のロビンとモーリスが弟さん。年下のお二人は二卵性の双子だそうです。
兄弟といえど声が似ている・似ていないの差異は兄弟によるでしょう。ボーカルは体のあらゆるところが由来して結果が得られるパートだと思いますから、やはり血のつながりと声の調和度の相関関係はあるといえばあります。
ハーモニーパートの声が左斜め上から聴こえる音響の感じがすごい。どうやったらこの位置感を出せるのでしょう。単に定位を左に振ったという以上の工夫を感じます。音質的にもトリムが効いているのでしょうか。
ベースがまろやかに包むよう。チェロパート、コントラバス……低域から線が折り重なるようにストリングスがつみあがり、高域はひぃぃんと繊細に線を引きます。左のほうにぽろろんと絢爛なハープ。ナイロン弦のギターかと見紛うオープニング付近。右のほうにはダウンストロークが目立つアコギもいます。グロッケンがちかちかまたたいて、深い音色のビブラフォンもいるようか。複数本で鳴るホルンだかの金管の音色と兄弟の声がダブル・トリプル?で成す層がロマンティックです。
コーラスのあいだの「アー」……のボーカルの断片がちょっとむなしげ。ビートルズの『ア・テイ・イン・ザ・ライフ』そっくりのサウンドです。
基本Dメージャー調なのですがコーラス(サビ)でしれっとGメージャー調にいって、くだんの「アー」のところでEmのコードを蝶番にしてまたDメージャーに戻って次のDメージャー調のヴァースに戻るんです。なめらかな所作のマジシャンかよ。
青沼詩郎
BEE GEES ユニバーサルミュージックのバイオグラフィページが彼らの栄光と変遷がわかりやすく端的にまとめられていて私のような入門者に優しい。
『Melody Fair』を収録したBee Geesのアルバム『Odessa』(1969)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『Melody Fair(Bee Geesの曲)ウクレレ弾き語り』)