My Sweet Darlin’ 矢井田瞳 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:Yaiko。矢井田瞳のシングル、アルバム『daiya-monde』(2000)に収録。編曲者名義のダイヤモンド・ヘッド(Diamond◆Head)は“音楽プロデューサーの片岡大志が中心となり、西川進、浦清英、村田昭との4人”(Wikipedia>矢井田瞳よりとのこと。

矢井田瞳 My Sweet Darlin’(アルバム『daiya-monde』収録)を聴く

“Darlin, Darlin’”のサビを印象づけるフレーズ。ダリダリ♪と親しみたし。くだんのサビ頭のフレーズで1オクターブをペンタトニックスケール的に一気にかけぬけるモチーフは楽曲の強靭な爽快感の一因かもしれません。

スカンドカンとヌケのよいパワーあるドラムトラックはプログラミングだとか。こういう気持ち良い音をコンピューター内で実現するノウハウが未熟な私は涎が出てしまいます。

ドライブ感の権化なりといったベースの、早いテンポでの間断ないエイトビートのダウンストロークのまっしぐらさよ。エンディング付近ではファミコンのカセットがバグったかと錯乱したような謎の素早いフレーズをみせあっという間に楽曲を結実させてしまいます。

左右に開いたエレキギターのサウンドがさわやか。左はときおりフレームアウトして、フィードバッグをいれながら近づいてくるようなフレームインをみせたりダリダリ。右のギターはサビでこれでもかと主音のオクターブ保続。このエレキギターの怒涛の保続がスカンスカンと抜けて天真爛漫に自由を勝ち取るみたいなヤイコ(愛称で失礼)の縦横無尽のリードボーカルの陣地にフラグを立てます(そして演奏面では比較的楽だろうよ、最強かよ)。

Eメージャーではじまって、後半に差し掛かる“ほら あなたが歩いてきた”のオオサビ(Cメロ)でシャープ系の調合を減らす感じのスパイシーな展開に。ふわふわとリバース音のようなものを漂わせピコピコ人工的な処理の印象をザッピングし近未来感。ここはどこ? ラストのサビの前にちゃぶ台がひっくり返るようなキメをはさんで、Cコードに着地させたのをドミナントにとり、すかさずFに転調してラストのサビ。冒頭の調のEメージャーから、オオサビ(Cメロ……ブリッジ?)をはさんでFメージャー調に半音上がる転調で高揚をモリモリダリダリ。

英語ではじまった1ヴァース。しかし2ヴァースは日本語。かつラストサビは英語といった「日英ちゃんぽん」のおいしいミックスの新定番を提案するかのような大胆な構成です。いわゆる日本語のなかにちょっとだけ急に英語が出るみたいなオツマミお手つきちゃんぽんみたいなJポップと違って、気骨を感じます。日英がちゃんと対等なリングでバトっているのです。

この流麗なヤイコの英語とエッジーな日本語の歌唱が突き抜け、2000年の幕開けを告げる一番新しいイカした大衆音楽はこれだ!と私にふかいうなずきを与えます。いま聴いても爽快!

青沼詩郎

参考Wikipedia>my sweet darlin’

参考歌詞サイト 歌ネット>my sweet darlin’

矢井田瞳 公式サイトへのリンク

『my sweet darlin’』を収録した矢井田瞳のアルバム『daiya-monde』(2000)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『My Sweet Darlin’(矢井田瞳の曲)ギター弾き語り』)