earth music&ecology(ファッションブランド)のCMは私にTHE BLUE HEARTS『1000のバイオリン』(1001のバイオリン)を強く印象づけたという話を書いた。
earth music&ecologyについて検索していて出てきたWikipediaに次の音楽へのヒントがあった。
こちらのCMははじめて見た。
ザ・スパイダース『なんとなくなんとなく』
ザ・スパイダース『なんとなくなんとなく』。1966年のシングル曲。作詞・作曲はザ・スパイダースメンバー、ムッシュかまやつことかまやつひろし。
「なんとなく幸せ」。肩に力が入っていては逃げていってしまいそう。「なんとなく幸せ」という気持ちをいつも持っていられたらいいのに。それはむずかしいのかもしれないけれど、この歌がそれを閉じ込めている。この曲にアクセスすれば、私はいつでもその気持ちにちょっとだけ触れられる。
コードはⅡ-Ⅴ-Ⅰのくりかえし。メロディはとてもシンプル。跳躍と順次進行をうまく組み合わせた音形。間奏前にⅤ-Ⅵ♭を経て半音転調するのがキモ。あと、「せりふ」だ。
“困っちゃったなあ 君を好きになっちゃったんだ ただ なんとなく”(『なんとなくなんとなく』より、作詞・作曲:かまやつひろし)
最後につく「ただ なんとなく」が笑える。「好き」で終わればいいものを…このくらいならまだ微笑みで済まされるかもしれない。こういう余計なひと言が過ぎて、古今東西どれだけの男性が火傷を負ったか知れない。いや、マジでホント知りませんよ私は何も。
ほかのパフォーマンス
坂崎幸之助とかまやつひろしによる『なんとなく なんとなく』。間奏のせりふを坂崎幸之助がパフォーマンス。本人が笑ってしまっているし観客にもウケている。
ザ・スパイダースメンバーの井上順が1995年にソロ版を新録。「日産パルサーCMソング」とある。
印象的なスライドギターはザ・スパイダースメンバー・大野克夫による演奏。このサウンドに私ははっぴいえんどの『空いろのくれよん』を思い出す。
ムッシュかまやつと音楽番組『アーティスト』
ムッシュかまやつといえば私は2013〜2014年に放送されたテレビの音楽番組『アーティスト』(TBS)を思い出す。大宮エリーが司会。ムッシュかまやつはステージのローディーという設定で出演していた。チョイ役で、メインのゲストを迎える前のオープニングトークが済むと彼はだいたい画面から捌けてしまう。なんて贅沢な「ムッシュ遣い」だったかと思う。
オーディオを見つけた。番組には毎週さまざまなゲストが出演した。すべてではないけど、私もよく観ていた。ゲストにより深い関心を持つきっかけをたくさんいただいた。
大宮エリーが自身のYouTubeチャンネルで番組『アーティスト』の復活を企図したよう。昨年からのコロナ禍中で生まれたもののひとつか。
テレビ版のフラワーカンパニーズの登場回は私も観ていた。彼らは『深夜高速』を演奏した。しかも、確かテイク違いを両方放送したと記憶している。同じ曲を2度がっつり堪能して、曲とフラワーカンパニーズをもっと好きになる機会をもらった。
YouTube版はテレビと違ってゆるい空気流れる。
青沼詩郎
『なんとなくなんとなく』を収録したザ・スパイダースの『ザ・スパイダース・アルバム No.3』
井上順の『なんとなくなんとなく』
ご笑覧ください 拙カバー