音楽とことばの生活路。

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フニクリ・フニクラ 冒険心あおるCMソングの元祖

呪文みたいで可愛い「フニクリフニクラ」は登山電車「フニコラーレ」の愛称。変拍子っぽく聴こえる、小節線を無視したようなトリッキーなモチーフの割り付け、奇数小節フレーズ。ⅢmやⅤへの部分的な転調。サビ後半の転々とした和音進行と怒涛の同音連打「フニクリフニクラ」。登山鉄道の広報・宣伝の機能を満たし、主人公に想定上の相手役を配したアツいラブソングにもなっています。和音や調の進行にも起伏があり、音形もゆたか。ケーブルカーに乗った火山観光の冒険心をあおる秀でたCMソングです。ノリが良く親しみやすいメロディやリズムを持ったフニクリ・フニクラは「おにのパンツ」ですら許す器の大きい曲。
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旅する歌い人・森山良子の一筆箋『この広い野原いっぱい』

かろやかな曲想というのが第一印象でしたが、普遍の風光明媚とロマンが理想高くうたわれています。あなたと私の関係に現実のリスナーと森山良子をあてはめても読めることから、彼女のファーストシングルとしてとてもおあつらえ向きという点にも鑑賞を重ねてから気づきました。飽きの来ない垢抜け感。当時の森山良子のジャズ志向をあながち無視したものでもない秀作。