ためいきばかり SUGAR BABE 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲: 村松邦男。SUGAR BABEのアルバム『SONGS』(1975)に収録。

SUGAR BABE ためいきばかり(アルバム『SONGS』収録、2015 Remaster CD)を聴く

2拍目のオモテ・ウラを強調するピアノと、1拍目から打つベーシックリズム。都合、3・4拍目が軽めの印象になり、空間に余裕がある独特のグルーヴが生じます。

上下にふらふらし、語句の意外なところをのばしたり揺らして戻すような「ふし」をつけるボーカルメロディが独特です。同じメロディをダブルした音像を終止つらぬきます。はっぴいえんどだったり、鈴木茂さんや伊藤銀次さんのソロ名義作品のサウンドにも通ずるボーカルトラックの質感です。作詞作曲の松村さんのボーカル、高めのポジションで鋭さもある、それこそストラトキャスターのエレキギターのような風合いある声がそれこそエレキギターのハイポジションのように快活にすべり、対空してはふわっと地面をなでる。不思議で気ままで天真爛漫なボーカルメロディが特徴的です。

このボーカルメロディに、2拍目付近に独特の重みのあるピアノ。バックグラウンドボーカルの類がなく、響きを支えるのはスライドギターやオルガンです。入れ替わり立ち替わり、複数のギターがオブリガードの応酬。表面にはりつくように近いギタートラック、奥まったトラックとサウンドの遠近感のメリハリ。

緻密な構築も感じるのですが、ロックチームとしてのシュガーベイブの面々が、「ここはじゃあ私が(やる)」と、入れ替わりたちかわり、機動力と発想とフットワークの軽さ、反射神経をもって楽曲を構築したような……松村さんの紡ぐ世界と、それの奥行き・背景の呼応のしかた、相乗のしかたにチームのよさを覚えます。

イントロからただようスライドギターが印象的ですし、鐘をならすようなピアノ。繊細な線の細さや解像度もあるし、耳の心を奪う存在感とツカミのある音の片鱗、音の帯が入れ込みあっている。

傑作アルバムとして名高い『SONGS』ですが、やはり曲ひとつとってもみどころ満載なのです。

青沼詩郎

参考Wikipedia>SONGS (シュガー・ベイブのアルバム)村松邦男

参考歌詞サイト 歌ネット>ためいきばかり

『ためいきばかり』を収録したSUGAR BABEのアルバム『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』(オリジナル発売1975年、40th記念版2015年)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『ためいきばかり(SUGAR BABEの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)