心に宝箱を
自分の趣味、心の大事なヤツ(お宝)を詰め込んだ様なキラキラと楽曲が輝くコレクターズのメジャーファーストアルバムの収録曲。
歌詞をそのまま英語にしてもオシャレなアプローチがそのまま通訳できそう。様式の解像度を高くもち見栄え良くやること、正統な様式に自分たちの志す表現を丁寧にフィットすることで、結果として起伏のある流行性・中毒性や娯楽性と、20年・40年と時が巡っても価値のすたれない耐久性・芸術性が両立するのではないかと思わせます。
よく聞く話で流行り廃りは20年単位でめぐるというものがあります。志とポリシーをもって、自分たちの信じる様式、心をよせるファッションの質感、その確かな足元・地盤をつことで、天球をめぐる太陽との邂逅を年単位で繰り返す観念を想起します。どこにも行かず頑なにうずくまることでもありません。旅をしていても、心がいつもここにいる尊さ……つまりひとこと、コレクターズはカッコ良いのです。
「とてもロマンチックな」……のサビのところのコードのベース音とメロディの関係をみると3度になっています。調和していて輝かしい響きが得られる3度の響き。楽曲全体を「メロディアス」だと聴いた人に印象づける一因ではないでしょうか。
ザ・コレクターズのトリビュート『BEAT OFFENDERS A Tribute To The Collectors』(2002)に本曲も収録されており、実演したのはLOW IQ 01、會田茂一、恒岡章、堀江 博久(各敬称略で失礼します)らが組んだバンド・BEEFEATERにカバーされています。本トリビュート盤にはくるりも『Good-bye』のカバーで参加しています。各々がコレクターズの楽曲を通して自由な呼吸をし精神を共有した快作ぞろいのトリビュート盤になっているのでぜひコレクターズのオリジナルを参照しつつ聴いてみてください。
TOO MUCH ROMANTIC! THE COLLECTORS 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:加藤ひさし。THE COLLECTORSのアルバム『僕はコレクター』(1987)に収録。
THE COLLECTORS TOO MUCH ROMANTIC!(アルバム『僕はコレクター』収録)を聴く
ごむごむごしごしとベースの音色の質感が吹き上がるスクーターのエンジンみたい。デシデシ!とドラムのショットの輪郭が明確で豊かな質感が地盤をなし、加藤さんのリードボーカルのディレイ・余韻も映えます。リズムギターのプレイがタイトでピタっとしているので空間に余裕があり、そこにボーカルが轟くのです。左定位のオルガンがポイーンと描線をいれます。このオルガンがいるから、ピタッとタイトなリズムギターが映えるのも一因でしょう。
間奏でテンホールズハーモニカ。ポケットに忍ばせていたのでしょうか。セカンドポジションのプレイスタイルをおもわせるセブンスのブルージーな匂いのスケールでプレイしますが、楽曲のキラキラ感と相乗してか辛気臭くならずあくまで音色の態度がハジけていて快いのです。
エンディングはコーラス(サビ)を入念にくりかえしながらフェイド・アウト。とてもロマンティックな星の輝く夜……がずっと永続するデザインです。ここで思い出す曲名は『TOO MUCH ROMANTIC!』、ロマンティックが「過ぎる」のです、よくも悪くも嘆きたくなる月よ星よの魅力。
ボーカルメロディ自体に8分音符をしきつめるビート感が宿っています。それにコードやハーモニーの響きの甘美が加わります。そしてバンドの演奏がビートや輝きを乗数倍にするのです。様式は精神をギターアンプのように増幅するのだと悟ります。あるいはイエロースクーターのエンジンかな。
青沼詩郎
参考歌詞サイト 歌ネット>TOO MUCH ROMANTIC!
『TOO MUCH ROMANTIC!』を収録したTHE COLLECTORSのアルバム『僕はコレクター』(1987)
ザ・コレクターズのトリビュート『BEAT OFFENDERS A Tribute To The Collectors』(2002)