You Are My Destiny Paul Anka 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Paul Anka。Paul Ankaのシングル(1957)。
Paul Anka You Are My Destiny(『Paul Anka Sings His Favorites』収録)を聴く
悲壮感が凄いです。執念すら感じてしまいます。荘厳。
こういうアプローチで愛を表現される相手側としてはどうなのでしょう。軽薄な流行歌のような曲調で表現されても、確かにその時限りの感情でものを言っているのではないかと疑りたくなります。ここまで重厚にねっとりと表現されれば、その重みや真剣さはわかってもらえるのかもしれません。
孤独をわかちあう仲は相当なものです。お互いの絶対領域をわかっている仲。この人の信条を私はわかるから、立ち入ってはならない領域をわきまえているからこそ尊敬できるという距離感があるのではないでしょうか。そうした個人の尊厳を確立できる距離感を相互にわかりあっている仲は、たいそう深いものだと思います。そんな2人の仲を表現する曲とくれば、重厚で悲壮なものこそ相応しいとの結論に至るのか。
右に張り付く女声のコーラスは主を天に召すまでついてきそう。左にはストリングス。右にドラムス、左にベース。質量感のあるパートがうまく左右に分かれています。ベースとほとんど同じ動きをしているピックギターがいるでしょうか。こんこんとトリプレットのピアノのストロークがふりそそぎます。
エンディング”That’s what you are”で上の主音に解決するリードボーカル、これでもかと熱量を放出。このまま卒倒して絶命してしまうのじゃないかというくらいに壮絶。まっすぐな声の伸びが想いの純白さを想起させます。
最後のヴァースをまえに半音上の調に転調します。GmだったのでG#mに変わってエンディングですね。エンディングのボーカルのロングトーンも主音なのでG#mの音程になります。極限の緊迫です。
これだけ劇的なエンディングの先ならば、まっさらになって新しい未来を描けそうです。
青沼詩郎
参考歌詞サイト JOYSOUND>You Are My Destiny
『You Are My Destiny』を収録した『Paul Anka Sings His Favorites』(1976)。
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『You Are My Destiny(Paul Ankaの曲)ピアノ弾き語り』)