YouTube>GSiloveyou>かまやつひろし/ 四つ葉のクローバー (1971年)へのリンク
作詞:山上路夫、作曲・編曲:かまやつひろし。かまやつひろしのシングル、アルバム『どうにかなるさ かまやつひろし アルバムNo.2』(1971)に収録。
いや〜、めちゃくちゃいい。好きなんです、大好きなんですかまやつひろし。
エンディングでメジャーの響きになります。思い出を顧みているように感じる歌詞と音楽ですが、エンディングは未知を望んでいるような趣があります。未来なのか、過去なのか。前にもうしろにも光があるのでしょう。背負うのは過去の光、先方に眺めるのは未来の光です。
左にリードするギター、右にアルペジオするギター。つまびくニュアンス、弦を押さえる音程のゆらめくニュアンス。かまやつひろしが実直に優れたギタリストであるのがひしひしと伝わってきます。
またボーカリストとしても素晴らしい表現の機微をみせています。思い出の儚さが優しく愛らしく伝わってくる繊細な歌唱です。
リズムはアコースティックギターのアルペジオやオブリガード、キメのフレーズ、ボーカルメロディ。そしてベースが中央でやさしく純朴にリズムをとつとつと置いていきます。極めてシンプルで均整があります。ドラムレスですね。
エンディングではマイナーだった調性を払拭する響きです。コーラス(バックグラウンドボーカル)が右から左に向かって順番に4パートが発声を連ねていく意匠。サスペンデッド・フォースと第5音が長2度の関係でぶつかる響き。もどかしいのに、そのままで居続けることも許容しうる、アンニュイさと開放感を兼ね備えた独特な響きです。未来、過去、現実が、やさしくもなく厳しくもなく、ありのまま諭してくるような、ずっと浮遊を続けるエンディング。でも、途中でまたマイナーの翳りをみせたり、コーラス(バックグラウンドボーカル)がおさまってくる頃に3本目のギターが真ん中から兆してきたりします。何か起こるような起こらないような、ずっとこのままのようなどこかへふわふわ浮いて離れていくような……前半の繊細でコンパクトな歌詞のある歌唱部分とエンディングが見事な対をなしています。この楽曲『四つ葉のクローバー』は歌詞の部分とエンディング、どちらかの部分のみでは成立しえないのです。
“四つ葉のクローバー 枯れたけれど 二人の思い出 今ものこる”(『四つ葉のクローバー』より、作詞:山上路夫)
見つけると幸運だという四つ葉のクローバー。摘み取っておいて、時間が経つとしなびている。水分を保って張りがあった頃は、遠くなっていきます。思い出は残りますが、反芻しているうちに歪曲したり、書き換わってしまったりもするでしょう。つねに新しい四つ葉のクローバーを探し続けて、三つ葉のクローバーの野を行く姿はあらゆる人に重なるのではないでしょうか。
青沼詩郎
ムッシュかまやつWEB記念館 Monsieur Kamayatsu Forever ムッシュのご長男・かまやつ太郎氏が立ち上げた“現在進行形の未完のサイト”。
『四つ葉のクローバー』を収録したアルバム『どうにかなるさ かまやつひろし アルバムNo.2』(1971)
ご笑覧ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『四つ葉のクローバー(かまやつひろしの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)
ムッシュかまやつ 四葉のクローバー