ゆめいっぱい 関ゆみこ 曲の名義、発表の概要

作詞:亜蘭知子、作曲・編曲:織田哲郎。関ゆみ子のシングル、アルバム『TOO MANY DREAMS』(1990)に収録。テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』初代オープニングテーマ。

関ゆみ子 ゆめいっぱい(CD『まるまるぜんぶちびまる子ちゃん』収録)を聴く

胸にひびく有馬さん(旧名:関さん、以降有馬さんと記述)の低域のやさしく豊かな響きは歌い手ご本人の胸にもいっぱい響いてのことでしょう。つくづく歌手はからだが楽器であるのを思います。サビの直前あたりからきらめきを増し、かがやきと質量を豊かにまとうサビの歌唱が魅力。少年少女(あるいは老若男女)のアニソンとして毎週国民にふりかかるのにおあつらえむきのキラキラ感よ。

サクソフォンの輝きと残響が色めきます。オケの音がけっこう打ち込みっぽい質感なので(私がそう感じるだけで実際はわかりませんが)、リードボーカルといれかわりに間奏でライティングをひきつけるこのサックスがフルサイズ版としてはたいへん重要な位置付けにおもえます。なんなら関ゆみ子 feat.〜としてサックス奏者の名前をクレジットしても良いのではと思うくらいです。演奏者はWikiいわく勝田一樹さん。

ストリングスの音色、グロッケンの音色。16分割するシンセのなんらかの音色……ロウティーンの大衆娯楽のきらきら感を表現するオケトラックはウェルメイドでおあつらえ向き。ベースはシンセかな、4分音符のタイトなダウンビートを強調する局面と8分割で動きの多いサビでのラインが印象的。ゆめをいっぱいに動かし、ふるわせます。

このオケトラックをあえて全部生演奏に置き換えてしまったら、豪勢になりすぎて情報量過多になってしまうかもしれません。内部系のサウンドと、生の歌・サックス・アコギなどのかけあわせのサイズ感がどこか少年少女の胸に閉じ込められた想像力の広がり、「ムフフ」感を私に思わせニヤリとさせます。

有馬ゆみこ ゆめいっぱい セルフカバーを聴く

有馬さんの歌唱は原曲の印象を保ちつつも、さらに機敏で精度高くエネルギッシュにしたような感慨をくれます。オリジナルが少女〜青春時代ならこちらは社会人編って感じでしょうか……(陳腐な喩えで申し訳なし)。聴いていて気持ちが良いです。

オリジナル版がfeat.サックスの勝田さんという感じなら、こちらのセルフカバー版はfeat.ギタリスト(どなたでしょう※)さんという感じ。イントロのリードメロディから、ブリッジミュートのリズムまで歪んだエッジーかつマイルドなエレキサウンドで曲中のほとんどを有馬さんのきらめきボーカルと一緒に走り抜けます。ビーイング系の数多のヒット曲のサウンドを私の中に想起させます。

原曲よりもいっそう華やかでコントラストに富むセルフカバー。ステージでサポートミュージシャンを連れて新旧の「まる子」ファンに応えるサービス精神があふれる快活な新章のはじまりという感じがします。しいていえば原曲よりさらに人の生身の動きが印象強くて、聴きごたえがあります。どちらも好きです。

Br’z(ブレイズ)さんことギタリストのtomoyaさんでした。2021年有馬さんのセルフカバーバージョンの編曲者です。

青沼詩郎

参考Wikipedia>ゆめいっぱい

参考歌詞サイト 歌ネット>ゆめいっぱい

有馬ゆみこ エックスアカウントへのリンク

『ゆめいっぱい』を収録した関ゆみ子のシングル、アルバム『TOO MANY DREAMS』(1990)

『ゆめいっぱい』を収録した『まるまるぜんぶちびまる子ちゃん』(2004)

関ゆみ子のシングル『ゆめいっぱい』(1990)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『ゆめいっぱい(関ゆみ子の曲)ギター弾き語り』)