GSが好きです。ギターを持った瞬間、同じ地平に立てる感じがするスタイルです。GSの房に接するとなればワイルドワンズは必須のグループのひとつです。

明日に続く道 ザ・ワイルドワンズ 曲の名義、発表の概要

作詞:鳥塚繁樹、作曲:島英二。編曲:東海林修。ザ・ワイルドワンズの4枚目のアルバム『ワイルド・ワンズの世界』(1969)に収録。

ザ・ワイルドワンズ 明日に続く道を聴く

ボーカルがべーシストの島英二さん。この楽曲の作曲者です。アルバムのなかにこの曲が入ると、リードボーカルが変わった新鮮さがあります。

素朴な曲の質感です。ぎすぎすした、目立ちたがるサウンド的なモチーフが極端な動きをするとかそういったことがない。なんというか平和です。

平易なのです。メンバーみんなで楽器を鳴らしながら、リードボーカルも誰がやってもいいし、それをみんなで囲ってボーカルハーモニーをつけられる。この曲の平易さには理由をつけるなら、みんなで歌える、みんなの歌になれる、そのために曲の和声やリズムやメロディがシンプルで平易な必要があるというところでしょう。とても好感が持てます。

A、C♯m、D、E、A……のコード進行、シンプルです。DからEに向かってずり半音ずつずりあげる和声的な経過音で印象付けるところ……この楽曲の「癖」めいた点を指摘するならそこくらいかもしれません。

平易な質感ですがギターやベース、ドラムなどベーシックリズム以外のパートで彩りが添えられています。フルート、それからビブラフォンのオブリガードが洒脱な雰囲気です。

チロチロと12弦のアコギみたいなキラキラした質感を添えているのは撥弦系(弦を弾いて音を出す系)の鍵盤楽器でしょうか。チェンバロなのか、クラヴィネット(クラヴィコード)のような弦を叩く系の鍵盤なのか。どっちかというと前者の「弾く系」の古楽器に聴こえますがどうでしょう優美で品があって、余裕を感じる雰囲気を醸します。

グループサウンズも実にピンキリで、粗野で激しい楽曲も世に数多出たでしょうが『明日に続く道』はフレンドリーな「和」が魅力です。

この果てしない青空の下 君は一人さ 誰かに愛されても 淋しさは同じ 誰も君の心の中 わかりはしないさ

『明日に続く道』より、作詞:鳥塚繁樹

孤独。究極いえば、人は誰も一人であることを諭った、達観・諦観した趣があります。だからこそ、手をとりあうこと、調和・協調することのメリット、集団や「和」の利益の讃辞に響くのです。

青沼詩郎

参考Wikipedia>島英二 ザ・ワイルドワンズ

ザ・ワイルドワンズ 公式サイトへのリンク

ユニバーサルミュージックサイト>ワイルド・ワンズの世界

参考歌詞サイト JOYSOUND>明日に続く道

『明日に続く道』を収録したアルバム『ワイルド・ワンズの世界』(1969)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『明日に続く道(ザ・ワイルドワンズの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)