Jumpin Jack Flash The Rolling Stones 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Jaggar-Richards。The Rolling Stonesのシングル(1968)。
The Rolling Stones Jumpin Jack Flashを聴く
世界で最も有名な、ギターリフレインを魂柱としたレパートリーの一つではないでしょうか。
五度の重なりを基調にしたリフレインはオープンチューニング(開放弦を鳴らせば3和音が鳴るチューニング)を使用しているのだとか。レギュラーチューニングのギターでこのリフを真似すると、確かにそれっぽい音程を再現することはかないますが独特の「響き」を模写しきれないところがあります。なるほど、オープンチューニングか、と。
驚くことに、歪んだギターの悪童めいたサウンドはカセットテープレコーダーを使用して鳴らしたアコースティックギターなんだとか。イントロのジャーン……というコードかき鳴らしがアコギであるのはサスティンの減衰や独特の箱鳴りの特徴からわかるのですが、リズムギターよりミャーンと高めの音域できらびやかに刺すように鋭く光るギターもアコースティックギターをテレコ(テープレコーダー)に通した音なの? アコギで刺激と恍惚に満ちたギターロックをやるのも私の寄せる憧れや理想のスタイルのひとつですが、実験的な手法がこの唯一無二にして金字塔的なサウンドを解く鍵になっているのですね。驚きとともに納得です。
ベースはギターリフと伴走するように「同類」感があります。バンドのベーシストのビル・ワイマンでなくリチャーズのプレイだとのことです。ワイマンのこの曲での役割はオルガンだそう。このオルガンが、減衰系のサオモノとドラムのアタック・余韻に光と彩りと腰の強さを与え質量を補強します。
ドラムのスネアのサウンドに、まるでトタンの板をシンクロして叩いたみたいな独特のベラン!という余韻を感じます。普通に叩いてこんな音がするスネアがあるのか? チャーリー・ワッツの体、コントロールから生まれる彼の音なのか? あるいはスネアにも実験的で積極的な音作りの秘密があるのでしょうか。極めて刺激的なサウンドです。
マラカスがチャキチャキ……と鳴りはじめる。エンディングではまるでバグ・パイプのようなきらめきの完全五度の和声音程が虹を引っ張ります。これもオルガンのサウンドなのかな? 保続音が重なりあって夢見心地です。
gasという単語が気になります。楽曲の柱というべき語彙ではないでしょうか。楽しませるとかいった口語的ニュアンスがあるようです。
あるいはgasに伴う私の見出すニュアンスになりますが、快楽に浸る……それも受動的な快楽というよりは、己が知的な意図を持って仕掛ける行動や工夫と身体運動が相乗して得られる……つまり私の考えるロックの本質そのものがgasなのではないかと。
青沼詩郎
参考歌詞サイト KKBOX>Jumpin Jack Flash
『Jumpin Jack Flash』を収録した『Hot Rocks 1964-1971』(1971)