毎年、5月になればそこここでおまつりが開催された。
日本の東京の5月はなかなかいいもので、半袖でうろうろしても風邪を引かない。花粉症も一段落している。あと私の誕生月が5月だ。だからなんとなくイメージが良い…気のせいだが。(誕生日がめでたいというのも、なんでめでたいのか理屈を考え出すと実はよくわからないし、考え出すときりがない。)
話を戻そう、そこここでイベントが例年開催された5月頃だったけど、2020年はもちろんなかった。新型コロナウィルス感染症の影響があったからだ。「もちろん」と決めつけるのもおかしいけれど、各地の祭事や催しはことごとく控えられた。自粛の名のもと。
控えられた催しのひとつに、アースデーがあった。環境を考える日。私の住む西東京の志ある人たちはいつからかこれを掲げたイベントをやるようになり、近年の5月頃の恒例になりつつあるものだった…2020年までは。
かつての開催回で歌った思い出があるのが喜納昌吉&チャンプルーズ『すべての人の心に花を』だ。市内のミュージシャンが何組もやって来て、装飾のないただの公園のただの草の上を「原っぱステージ」と称して演奏した。エンディングには出演者が集まってひとつの曲をやってみんなで歌ってシメとする。ある年、その曲に選ばれたのが喜納昌吉&チャンプルーズ『すべての人の心に花を』だった。
曲は喜納昌吉&チャンプルーズのアルバム『BLOOD LINE』(1980)に収録されている。『花〜すべての人の心に花を〜』というタイトルになじみのある人がいるかもれない。「花」はレコード会社の人がつけた副題。ライ・クーダーがスライド・ギターで参加している。マンドリンも彼の演奏らしい。
国内外で多数のカバー版がある。本人たちによる演奏もたびたび更新されている。『BLOOD LINE』収録のオリジナル版を歌っているのは喜納友子。昌吉の妻だったそう。
日常の不断の流れがしんどくなるときがある。「いい歌」が欲しくなることがあって、思い浮かんだのがこの歌だった。時も場所も越えて、まっしろな心になってもぽつんとそこにあるような歌。
青沼詩郎
『花〜すべての人の心に花を〜』について、こちらにも書きました
喜納昌吉&チャンプルーズ 公式サイトへのリンクhttp://www.champloose.co.jp/
喜納昌吉&チャンプルーズのアルバム『BLOOD LINE』(1980)のリマスタリング盤(2016)
ご笑覧ください 拙カバー
“私の地元の西東京の人たちが近年、5月頃にアースデーを開催していた。
ある年の開催で、エンディングに出演者みんなで演奏して歌う曲に選ばれたのが喜納昌吉の『花 〜すべての人の心に花を〜』だった。
去年はもちろんそういったおまつりの類の開催はぜんぜんなかった。
引きこもるのも孤独なのも平気なほうだけど、昨日と今日がひとつづきなのが嫌だなと思う変な気持ちになることがある。
そういう時にすがるように「歌は…何かいい歌はないか…」と心さまよう。
かっこつけてるのもイイ歌ぶってるのも嫌だ。そんなときにこの歌があって救われる。
喜納昌吉&チャンプルーズのアルバム『BLOOD LINE』(1980)に『すべての人の心に花を』として収録。
「花」はレコード会社の人がつけた副題らしい。ライ・クーダーが参加していてクールなスライドギターが聴ける。マンドリンも彼だそう。”