作詞:片岡輝、作曲:桜井順。『おかあさんといっしょ』内コーナー、『うたのえほん』(NHK、1962年)でオンエア。このときの歌唱は服部恭子によるものか。

リスニング・メモ 

タンポポ児童合唱団

編曲:石川大明。4・5番で長2度上に転調するのが良いです。6番まであるので冗長させません。転調しっぱなしでなく、これを最後のコーラス前で元に戻すのが絶妙です。音の響きのなす景色を転々とさせ、バナナをとりまくとりとめのない奇想天外な旅を表現して思えるからです。

木管楽器の合いの手が良い。クラリネットやファゴットが目立つでしょうか。ピアノのピシャンという合いの手も小気味よく的確です。

ベーシックが実直で良い。ベースが大事です。2拍目のウラに食うストロークがポイント。ドラムスはしゃしゃらず、キックとハイハット中心でしょうか、リズムの主役はむしろパーカッション類。ラテンパーカスがパカパカと。コンガでしょうか。タンバリンがチチチチ……とハイハットっぽい刻みをみせます。ピアノが合いの手のようにアクセントしたり、かつベーシックにもいる塩梅がまた良いです。

児童たちの声が左右に振ってあってワイドです。随所で真ん中からソロ歌唱があらわれます。

バランスが完璧に思える音場が構築されています。サブスクでこうして手の届きやすいところの『とんでったバナナ』の魅力をまっすぐ確かに伝えるアレンジがあることが喜ばしいです。

中川順子、東京混声合唱団

中川順子・東京混声合唱団の演奏。パーカッションがにぎやか。トーンが上がるたいこ?がチャーミング。スライド・ホイッスル、カバサ?がしゃかしゃか。シェーカーもいます。マリンバのトレモロが耳福。中川順子さんのかろみあるコミカルな発声、磐石の基礎を感じます。合いの手する東京混声合唱団はまるでモリモリでリッチなバナナのよう。ありそうでない(希少)なアレンジが妙味で『とんでったバナナ』の「ありそうでなかった童謡」を巧みに表現しています。

ROCO

ROCOさんのキテレツな演奏。ピアノがグルーヴィで流麗。鍵盤ハーモニカがアクセント。スナッピーの幅のあるスネアのトーンが気持ち良い。声区を自由にとんでいくROCOさんの歌唱のキャラクターがとんでったバナナの曲想とよくハマっています。

青沼詩郎

参考サイト 世界の民謡・童謡>とんでったバナナ(バナナが一本ありました)ワニといっしょにボンボコツルン♪

参考サイト 滝の細道>細道のMIDI倶楽部 日本の童謡・唱歌>とんでったバナナ

参考サイト 世界の民謡・童謡>片岡 輝 合唱曲・有名な歌 学校で歌う合唱曲

参考Wikipedia>桜井順

参考リンク 三田評論ONLINE>【三人閑談】童謡は時代を超えて 『とんでったバナナ』はパッと思い浮かびやすいモチーフで、場面が展開・変化する歌詞が童謡として秀でているのだと教えてくれます。あなたが歌の作り手であるなら、なおのこと読み応えのある閑談記事。

タンポポ児童合唱団がパフォーマンスする『とんでったバナナ』を収録した『保育園・幼稚園・こども園でうたう歌~たのしい毎日☆わくわく行事』(2017)

中川順子・東京混声合唱団の『とんでったバナナ』を収録した『こどもとききたい童謡 ~たのしい日本のうた~』(オリジナル発売年:2007)

『とんでったバナナ』を収録したROCO『こどもじゃず +44』(2011)

服部恭子の歌唱する『とんでったバナナ』を収録した『こどものうた テレビのうた』(1996)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『とんでったバナナ 童謡 ピアノ弾き語り』)