左利きに思うこと

左利きの人を思うとき、数人思い浮かびますが私の筆頭は5歳上の実兄です。

兄弟はおなじ親から生まれているわけですが、こうも違うものかと。5歳離れているので幼少期は親代わりというくらいに面倒みたり遊んだりしてもらった記憶があります。兄の友人についても私が知る範囲が広いと思えるのは一緒に遊んでもらったためでしょう。兄の友人たちにも、私によくしてもらいました。成長してからも短期バイトの仕事をもらって一緒に働かせたりしてくれた兄の友人もいます。

家族語りになってしまいましたが、そんな私の兄が左利きなのです。兄をはじめ、数人思い浮かぶ、私の知る左利きの人のデータから導く特徴があるとすれば……さらっとしていて執着がないようにみえて、数歩引いて大きく長期的な視野でみると案外、かなりのエネルギーで執着やこだわりを発揮してみえることでしょうか。

表面的なところの質感に好みがうかがえたり、ミーハーっぽいところがあったりもして、短期的な付き合いのみだったらそう見えてしまうかもしれません。

面倒見がよくて、コミュケーションは比較的得意で、社交をうまくやれる傾向もなんとなく感じます。人柄に愛嬌があるのです。もちろんじれっとした質感でなく、あくまでさらりとしています。人情深くみえるところもあるかもしれません。

左利きのあるある的なことでいうと、右利きの人とならんで食事をするときは、おはしを扱う腕の肘がぶつかりかねないので、テーブルに向かって左利きは左端、右利きは右端の位置関係で座る必要があります。十分な距離があればその限りではないでしょう。

左利きの人はそれ用のハサミが必要です。文具のハサミとかは、力の加え方のコツをつかめば左利きでも右用が絶対つかえないとは思いませんが、左利き用のハサミがあるに越したことはありません。特に美容師さんや理容師さんなど、ハサミが職業アイテムである左利きの人は、左利き用のハサミが必須でしょう。

ギターもレフティがあります。右利き用のギターをそのままの弦の配置のままでレフティで持ってしまう(右手で弦を押さえて左手で弾く)人なども稀にいるようです。松崎しげるさんがそうだったと思います。これは右利き用のハサミをそのまま左利きの人が使う感じに似ているでしょうか(全然違う?)。

ふつうレフティモデルのギターは弦の並びも左右対称になるように、自然に構えたときに天井に近いほうが太い低音弦で、地面に近いほうが細い高音弦になるように張ります。弦に直接触れる機構やそれ以外の部分においてデザイン的にもレフティ仕様になっているギターが、通常のレフティ仕様だと思います。レフティで思いつく最も有名なひとりはポール・マッカートニー氏でしょうか。ジミ・ヘンドリクス氏もですね。

曲の名義、概要などについて

作詞:千家和也、作曲:筒美京平。麻丘めぐみのシングル、アルバム『めぐみと若い仲間たち』(1973)に収録。

わたしの彼は左ききを聴く

愛嬌いっぱいにふりまいて世界の大通りを手を振って歩いているみたいなハッピーな曲です。麻丘めぐみさんの歌唱も軽やか。オーバーダブのユニゾンが入っていますがそれも軽い味付けでさらっとして爽やかです。

ウォーキングベースの4分音符も軽快でぐんぐん進みます。ドラムスのかろやかなシャッフルビート絶好。ストリングスがボウイングを狙い澄ましたリズムでキメます。伸ばすことで和声の壁をつくる役を担うことも多いストリングスですが、Aメロのところなど、ベーシックに委ねて音数を絞り風通しをよくする工夫が光ります。

この風通しのよい空間に、豊かな描き込みのBGV(コーラスボーカル)が活きます。左に向かって広げた複数のクラップ(拍手)がまたハッピー。人の気配が満ちた通りを思います。

エンディングはフェード処理で、ずっと命題が続くのを思います。

左利きは、昔差別されたことがあると聞きます。今はどうか? あまり左利きだから差別を受けているなと感じる光景を私自身は目の当たりにしたことがありません。

その蔑視感が、この曲のリリース時:1973年頃はいくらかまだ気配を示しているくらいの時代だったといいます。そういう意味で、多様な人の公平や共存の尊大さを呼びかけるメッセージ・ソングであるようにも思えます。それが、口酸っぱかったり説教くさかったり真面目ぶってたりし過ぎの楽曲だったらいくぶん寒いかもしれませんが、こんなにハッピーなんですもの。私は傑作だと思います。

青沼詩郎

参考Wikipedia>わたしの彼は左きき

参考Wikipedia>めぐみと若い仲間たち

参考歌詞サイト 歌ネット>わたしの彼は左きき

『わたしの彼は左きき』を収録した麻丘めぐみのアルバム『めぐみと若い仲間たち』(オリジナル発売年:1973)

『わたしの彼は左きき』を収録した『めぐみの休日+めぐみと若い仲間たち』(1991年・2002年版)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『わたしの彼は左きき(麻丘めぐみの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)