ゆりかごのうた 発表の概要、作詞・作曲者など

作詞:北原白秋、作曲:草川信。1921年、『小学女生』に詩が掲載された。1967年、『みんなのうた』でボニージャックスの歌唱が放送された。原題表記は『搖籠のうた』。JASRAC登録上は『揺籃のうた』。

はいだしょうこ

はいだしょうこさん。『みんなの童謡・唱歌 めだかの学校 ~夕焼けこやけ』(2009)収録。ぽろぽろとナイロン弦のたぐい……ハープっぽい音色はプログラミングでしょうか。間奏はヴァイオリン。単独パートを囲み、やさしくストリングスが調和します。そのままメインボーカルの背中をつつみ、後続のコーラス。ウェットさが深まり、さらっとエンディング。

倍賞千恵子

倍賞千恵子さん。『あいをぎゅぎゅーっと!おやこのすきな歌あつめました。~歌とともに歩んだ人たちが選んだベスト50曲!~』(2017)収録。不思議な引力ある類稀な歌唱で感慨深いです。涙が出てしまいそう。ぽつねんとしたさびしさ、至極真っ直ぐで芯の通った、心の強さを思わせる印象深い歌声が見事です。この歌声を聴くだけで野原、草原、そこを抜ける風といった風景が頭に浮かぶから魔法にかかったような不思議な気分。静寂を背中を守られたみたいなピアノの伴奏の糸のような横のつながりが、倍賞さんの歌声を乗せてゆらめくゆりかごそのものに思えます。北原白秋さん・草川信さんのご両人にもこの演奏は聴いてほしかった。お見事です。

倍賞さんが歌う『揺籃のうた』編曲は小六禮次郎。私(この記事の筆者)の母校の東京音楽大学の先生でもいらっしゃいます。Wikipediaをみるに、すぎやまこういちさんに師事したことがある。倍賞千恵子さんは妻である。とのこと。人間関係からも素晴らしい表現をする人とのつながりがうかがえます。

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図:揺籃のうた、採譜例。

「タータタ」「ターター」「ター・タ」「タ」……と、ゆらぎを感じるリズム。また音程も上下にやさしくゆらめくようです。やさしく、子を愛でるように歌いたいですね。実際の子育てはヒステリーとの闘いかもしれませんが……この『揺籃のうた』で、ひとりでも多くの人がやすらかな時間を得られればと思います。この曲はきっと、それを実現してくれる、この先100年でさえ伝う歌だと思います。

青沼詩郎

参考Wikipedia>北原白秋

楽曲、歌詞の参考Wikipedia>揺籃のうた

はいだしょうこが歌う『ゆりかごのうた』を収録した『みんなの童謡・唱歌 めだかの学校 ~夕焼けこやけ』(2009)

倍賞千恵子が歌う『揺籃のうた』を収録した『あいをぎゅぎゅーっと!おやこのすきな歌あつめました。~歌とともに歩んだ人たちが選んだベスト50曲!~』(2019)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『ゆりかごのうた(北原白秋・草川信の童謡)ギター弾き語り』)