青い空のような輪

ドラえもんアニメーション5代目エンディングテーマ。

誰の歌であってもおかしくない風や水のような清らかさ、みずみずしさがあります。言い換えてみれば平易さなのだと思います。

私が西脇さん作品にたどりついたきっかけはかまやつひろし『BLUEでできた僕たちの楽園』。その曲で作詞をしているのが西脇さん。そちらの楽曲でも澄んだ空のような誰しもの理想郷のようなものを作詞で描写した妙があり、かまやつさん作曲のメロディとかけあわさって私に魅力をなげました。

『あしたも♥ともだち』の話に戻って、楽曲のイントロには『ドラえもんのうた』でもおなじみのあのイントロ、狭い間隔で下行と上行を繰り返す音形が引用されていてドラえもんはんこを受け継いでいます。編曲は飛澤宏元さん。

本曲は8小節のAセクション。Bセクションは4小節。それに続きAセクションの相似形(再現)がついて、合計20小節、演奏時間にして35秒くらいで1コーラスが済んでしまうコンパクトさ。歌詞は随所を固定(Aセクションあたま「ともだち」、Bセクションのおしり「さみしいね」)したうえで任意の場所をコーラスごとに打ち替える形で平易さと変容を両立しています。

ほわほわ(ケーキ)、しゅるしゅる(元気がしぼむ)、プンプン(おこる)などのオノマトペを1コーラスごとにAセクションの中間で用いていて、意味上ではほわっとしてもいるがリスナーの注意をアクセントにもなっています。

ドラえもんの物語の登場人物のような個性豊かな多様な「ともだち」がいて、その和(輪)を表現したものとの読み筋が本曲のストレートな解釈だと思うのですが……リアル友達がまったくおらず、たとえば部屋じゅうのフィギアやぬいぐるみを並べ立てて想像上の友達として扱い話しかけているひとりぼっちの物語だったとしたらぞっとするくらい本曲の味わいが変わってくるのに気づきました。それもまたミステリアスな誘引力だと思います(味わいかたのひねくれ具合が邪道すぎるでしょうか?)。青い空のような輪が儚い。

あしたも♥ともだち 西脇唯

作詞・作曲:西脇唯。編曲:飛澤宏元。アニメ『ドラえもん』5代目エンディングテーマ。にしわきゆいのシングル(1992)。

にしわきゆい あしたも♥ともだち(コンピレーション『テレビアニメ放送40周年記念 ドラえもん うたのコレクション』収録)を聴く

ほわっとしたエレクトリックピアノの音色が雰囲気をつくります。シンセベースの音色がドラえもんの未来から来た感。左にウホ!とクイーカの音色がジャイアンっぽい。右にシキシキ……とカバサかシェーカーの音色。これはなんかスネオっぽいですね。

ドラえもんハンコのきれの短い音色はなんなのでしょう。カリンバとかなのか。間奏をリードするシンセの音色は絢爛優美です。しずかちゃんかな。

Aセクションの再現のところでボーカルがダブリングになる、ストリングスが入ってくるなどします。のび太とドラえもんのコンビネーションかな。

などと登場人物と音色の性格を結びつけて想像するも楽しい。

青沼詩郎

参考Wikipedia>あしたも♥ともだち

参考歌詞サイト 歌ネット>あしたも ともだち

西脇唯 公式サイトへのリンク

『テレビアニメ放送40周年記念 ドラえもん うたのコレクション』(2019)