キモちE RCサクセション 快楽の来るところ
シングル集『EPLP』にまとめられた曲。シングル『ボスしけてるぜ』のB面に収録されたのが初出でしょうか。『RHAPSODY』でライブテイクも発表されています。
主題通りのEのコード、Eキーで突っ走ります。
気持ちよく突っ走ること、いえ、突っ走ることの真理を究明する鋭さがただキモちEだけじゃない。
環境や体質といった諸条件はそれぞれに異なりますが、おのれの能動性とその発露、心の実現、それにともなってながす汗や血にこそ真の快楽が降りてくるのだと気づきます。
・歌詞のこまかいとこ
太って寝ている奴より……など見た目を謗る表現には一瞬ひやひやしますがすかさず「女と寝ている奴より」と続け、「寝る」の意味を変化させます。牛乳を飲むとか新聞を読むとか、とらえようによっては己の心身の健康に与したり栄養になったりしてくれそうな行動方針すらも超越するのが「キモちE」なのだと一蹴。条件出すとか音頭を取るとかは場合によってはシゴデキで優秀っぽい人のはまりがちな型な気もしますがそれもやはり一蹴、真のキモち良さとはそんなものではないのだと叫びの嘲笑。
・移勢、重ね合わせ
「誰よりもキモちE」と歌うのにかぶせて「E,E,E キモちE」と複数のボーカルの重ね合わせで快楽の多重性や浮遊感を演出します。「E,E,E キモちE」のフレーズの2拍目裏に掛かった移勢のリズムがキモち良さの秘訣です。
・ボーカルの音程のブラボー、シャウトにこそ歌のセンスが映る
一見すると叫び散らしていて音程も超越した歌唱かに思えますが、では真似(コピー)してみようと細かく聴いてみると実に幅広く抑揚のある音程にまたがって腰をふりまくるかのごとくボーカル、起伏豊かです。つかう音域も広い。叫ぶように歌うのとただ叫ぶのはやはり異なるのだと思い知ります。
ただの気持ちよさとは異なる本質的な快楽(“E”)の真理を一考するきっかけをくれる、飛んでいくスピードと射出力に満ちた楽曲です。
キモちE RCサクセション 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:忌野清志郎。RCサクセションのシングル『ボスしけてるぜ』(1980.5)、発表年順のシングル曲AB面集『EPLP』(1981.6)に収録。ライブアルバム『RHAPSODY』(1980.6)でライブバージョンが聴ける。
RCサクセション キモちE(アルバム『EPLP』収録)を聴く
8分音符がずらーっとまっしぐらに連なって温度の上昇がどこまでも止められない!高揚を煽りに煽ります。ドドッというキックの8分2連を地盤にエレキやピアノもアタマ1拍目の表裏を強調。ピアノはホンキートンク風に音程にうねりのある感じの音色が恍惚としています。
ボーカルがキモちE!と叫ぶだけに見えるようなところもいちいちハーモニーの音像になっていて、快楽にゆらぐしゃれこうべを思わせます。誰よりもキモちEと歌うのにかぶせてE,E,E キモちEとサイドボーカルが歌うところも、快楽でトんでしまっている意識と、幽体離脱して冷静に自分を見ている目が重ね合わせになっているような感覚を私にくれます。
エレキギターはこの世でもっと快楽度の強いトロトロの液体でガラガラとうがいをするように渇きと潤いの両極を備えた音色で爆進。間奏のソロは定位が左右にフラフラしてもうトリップは最高潮のラスボス感。
エンディングで最高!これでもかと連ねに連ねて快楽は絶頂エンド。すべてが潔白から再始動する賢者タイムです。
青沼詩郎
参考Wikipedia>EPLP、RHAPSODY (RCサクセションのアルバム)
RC SUCCESSION | RCサクセション ユニバーサルミュージックサイトへのリンク
RCサクセションの『EPLP』(1981)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『キモちE(RCサクセションの曲)快楽の来るところ【ギター弾き語り・寸評つき】』)