時計を気にする必要のない姫君

「あるまいし」の日本語のニュアンスがいいですね。ほかの言語にない表現とまでいえるかわかりませんが日本語らしい意味の多層性を感じます。主題がシンデレラですが、「シンデレラじゃあるまいし」までを含めて主題という感じがします。まあそれを含めて(束ねて)の『シンデレラ』なのでしょうね。音楽スタイルがわかりやすいことが救いのように感じられることがあります。クールスの本曲やクールスの諸作品や活動スタンスは私にそんな気づきをくれます。

クールスはバイクチームとして発足したのですね。矢沢永吉さんやジョニー大倉さん含むバンド:キャロルの解散コンサートの親衛隊を務めたそう。ローリングストーンズとヘルズ・エンジェルスの関係を思い出させます。その打ち上げの宴席でジョニー大倉さんのステージに飛び入りしたクールスメンバー、そのパフォーマンスが関係者を驚かせたことが、バイクチームとして結束を宣言したクールスが音楽の活動も始めるきっかけになっているそうです。

ファッションにしろ生き方にしろ、身にまとったり接したりするものの様式や質感について、おれはこれ!というものがひとつあると、生き易くなるのではないでしょうか。迷いが減ります。

本曲は楽曲提供者の近田さんバージョン(近田春夫&ハルヲフォンの実演)もあります。クールスと合わせてご参照ください。

シンデレラ クールス 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:近田春夫。クールスのアルバム『クールスの世界 〜黒のロックン・ロール』(1975)に収録。

クールス シンデレラ(アルバム『クールスの世界 〜黒のロックン・ロール』収録)を聴く

直線的で上下の動きの少ないリードボーカルメロディに、上3度の字ハモがよく映えます。仲間とグルーブしやすそうな楽曲です。リードボーカルの音域は完全4度くらいあれば済んでしまうのではないでしょうか。エンディング付近のサビの「見ないで」の歌詞のところのメロディ尻を上に向かって変化させるところを含めても音域が完全5度あれば歌えるでしょう。オレはこれ、というスタイルが実直に映える態度がボーカルメロディひとつとっても感じられます。

右にスチャッとキレのよいエレキギター。ベースとベースラインでシンクロしたり、後半で8分音符のダウンストロークを敷き詰めるピアノ。ベースは2拍目ウラでノリを出す分散和音型ロックンロール伴奏定型という感じ。ドラムのパコンというスネアのアクセントがここちよいです。左に振ったギターは右に比べてグモグモっとにじむように歪み、ミュートの緩いニュアンスで伴奏します。

間奏から後半にサックスが加わり色気を加えます。リードボーカルにかかる残響がいかにも酒のある席チックです。

エンディングにはバイクが発進するような音のサンプルの演出。オレらの毎日の儀式が今日もはじまる感。

青沼詩郎

参考Wikipedia>クールス

COOLS – CHOPPER – OFFICIALへのリンク

参考歌詞サイト 歌ネット>シンデレラ

『シンデレラ』を収録したアルバム『クールスの世界〜黒のロックン・ロール』(1975)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『シンデレラ(クールスの曲)時計を気にする必要のない姫君【ギター弾き語り・寸評つき】』)