私が中学生だったのは1999〜2002年頃のこと。合唱コンクールを毎年やっていて、最初の年に自分のクラスが選んだ自由曲が確か『Tomorrow』だった。

『Tomorrow』は、自然や生き物の生態を主題にしたNHKのドキュメンタリ番組『生きもの地球紀行』の初代エンディングテーマ。1992年頃のこの頃、実家で暮らしていた私。我が家の食卓のかたわらに置かれたテレビになんとなく映されていたことが多い番組だった。柳生博氏のナレーションを記憶している。

掲題の『Believe』は『Tomorrow』のあとのあと、『生きもの地球紀行』の3代目のエンディングテーマ。1998年だから、私が中学生になる直前の年に主題歌として番組エンディングに使われ始めたことになる。

『Tomorrow』はすでに、私が中学生になった時点でコーラス本に掲載されるほどに広まりを得ていたはずだ。でも『Believe』はそれよりもあとに知った。当時の私の持つコーラス本に掲載されていたかどうだったか?(実家に行けばその頃のコーラス本が今もある。果たして…?)

私は教員免許取得のために高校に教育実習に行ったり、大学を卒業したあとに中学生の音楽の授業に関わったりする機会があった。だから、自分が生徒として学んだとき以降の教科書や歌本やコーラス本にも触れる機会があった。

いつのタイミングで『Believe』を認知したんだったか、思い出せない。私が中学生になった1999年春、すでに曲はあったのだ。1998年から『生きもの地球紀行』につかわれているのだから。発表からそれほど迅速に合唱曲に編曲されてコーラス本に載って広まるものか? と思うと、やはりいくらか時期のずれがあることを想像する。それに要する期間が半年なのか1年なのかそれ以上なのかはわからない。

曲について

Aメロはベースの順次下行パターン。歌がベースと3度の関係を保って細かく登ったり降りたり同音連打したりする音形を反復する。3度の和声音程を多用すると、とにかく響きがいい。好んで歌われる曲の特徴で、大勢で歌うことを想定する場合の作曲にふんだんに取り入れるのも良いだろう。

Bメロでは歌い出し1拍目を4分休符にし、8分音符が中心だったAメロに対して4分音符を多用したおおらかなメロディ。跳躍で分散和音を成してもいる。

サビでは小節の1〜2拍目を長めの音符で埋め、3〜4拍目で8分音符。3拍目のオモテは前半からタイして裏拍で動く。

Aパート、Bパート、サビにそれぞれ違った性格を与えつつ、みんなで歌いやすく美しいメロディを全編にわたって紡いでいる。

作曲家は杉本竜一。『生きもの地球紀行の』オープニング曲『生命のいぶき』の作曲、歴代エンディング曲の作詞・作曲を担当していて『Tomorrow』『BELIEVE』のほかに『この星に生まれて』(1996)もコーラス本で親しんだ記憶がある。

青沼詩郎

『BELIEVE NHK「生きもの地球紀行」サウンドトラック Ⅲ』

ご笑覧ください 拙カバー