元気ならうれしいね 高橋幸宏 曲の名義、発表の概要

作詞:森雪之丞・高橋幸宏、作曲:高橋幸宏。高橋幸宏のシングル(1991)、アルバム『Life Time, Happy Time 幸福の調子』(1992)に収録。

高橋幸宏 元気ならうれしいねを聴く

『君に、胸キュン。』のイメージが私のなかで強い、ボーカリストとしての高橋幸宏さん。『元気ならうれしいね』は、やさしげで慈愛に満ちたスロウ〜ミッドのバラードがいかに高橋幸宏さんの歌唱と相性が良いかを実感させてくれます。歌唱がやさしく、はかなげなのです。

リズムのタイトな音像は高橋幸宏さんが携わる作品のはんこといいますか、さすがの品や風格を感じます。急進的な曲調ではない、シンプルな曲想だからこそ、リズムの緻密な設計の審美が伝わってくるのです。

ハイハットのような「チッ」と短いトーンが左右に振ってあるのが大変おもしろい。カッとタイトなスネアとキックは真ん中なのです。タムのようなトーンもサイドに振ってあるでしょうか。リズムパートだけでもワイドな音像が担保されているのです。

左右にひらいた印象なのはアコースティックギター。やさしくふくよかな音色で、ヘッドフォンで聴くと両耳を包んでくれます。ダウンビートするキーボードものの和声。オルガンがふわっと漂ってきます。ベースはポジションが低くふくよかで、棲み分けがよい印象のサウンドです。

ハーモニカがわびさび。テンホールズでも演奏できそうなシンプルなフレーズですが、音色的にクロマティックハーモニカでしょうか。あまりトリッキーな装飾は用いず、伸びやかなトーンを描き込みます。時間がゆっくり、いえ、それでいて適確に流れていく。ダウンビートの刻みと、保続系トーンのかけあわせのなすところでしょう。ハーモニカは同じ音程を長く伸ばしても(音価の長い音符を多用しても)独特の風合いある音色が継続的にリスナーの耳を引く、倍音からしてアーティスティックな私の大好きな楽器です。

サウンド、歌唱が至極気持ちよく、浸っているうちに通り過ぎていきます。しゃしゃり出てこない、やさしく、見守るスタンスのバラードであるのが歌詞からも伝わってきます。4分を超えるサイズがあるのですが、折り重なり、繰り返されるヴァースにうっとりして聴き惚れてしまいます。

Aメロ3行でBメロフレーズに行くこのメリハリのつくりかたが、平坦で落ち着いた印象の慈愛に満ちた優しい楽曲を最後まで、気付いたら何回もリピートして聴かせてしまう小さな仕掛けかもしれません。

青沼詩郎

高橋幸宏 ソニーミュージックサイトへのリンク

参考Wikipedia>高橋幸宏

参考歌詞サイト 歌ネット>元気ならうれしいね

『元気ならうれしいね』を収録した高橋幸宏のアルバム『Life Time, Happy Time 幸福の調子』(1992)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『元気ならうれしいね(高橋幸宏の曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)