モニカ 吉川晃司 夏を貫くセンセーション
吉川晃司さんのデビュー曲。「八月」をモチーフのひとつにします。西海岸っぽいサウンド。サビの「モニカ」を連発する響きが記憶に残ります。
Aセクション10小節、そしてすぐサビ(「モニカ」を連発)に至ります。1回目のAセクション&サビを消化した時点でまだ演奏時間40数秒とかです。Aセクションのボーカルモチーフも同音連打を多用しまっしぐらな印象。スピーディにシンプルな構造が展開していくのです。サビが何回もくる。良いサビは繰り返すほどによいという定石があります(私調べ)。その回数に応じて楽曲がリスナーに強く刷り込まれるからでしょう。佐野元春さんフィールがあります。吉川晃司さんのアーティスト性には少なからず、佐野元春さんを尊敬し参考にした部分があるようです。本曲を収録したファーストアルバムにも佐野元春さんの楽曲『I’M IN BLUE』を収録しています。
夏にまっしぐらに突撃する貫通力を感じます。作詞が三浦徳子さん。松田聖子さん作品などでおなじみ。作曲がNOBODY。アン・ルイスさんや矢沢永吉さんへの楽曲提供で私は認知。これらのアーティストの歌声で本曲『モニカ』を脳内再生してみても面白いです。
モニカ 吉川晃司 曲の名義、発表の概要
作詞:三浦徳子、作曲:NOBODY。編曲:大村雅朗。吉川晃司のシングル、アルバム『パラシュートが落ちた夏』(1984)に収録。吉川晃司が主演の映画『すかんぴんウォーク』(1984)主題歌。
吉川晃司 モニカ(アルバム『パラシュートが落ちた夏』収録)を聴く
ことばをせきこみ、つめこむ快感があります。字脚の予定調和に挑戦状を叩きつけるスタイルは私に佐野元春さんらしい音楽様式を強く思わせます。日本語でその単語を発声するときにアクセントがない字脚はまるで英単語における子音のように比重を軽く扱うことでより自由な作詞作曲への切符が手に入ります。
Aセクション(ヴァース)があってBセクション(コーラス)がある、以上!という構成だったらもう少し冗長が詰め寄って来たかもしれませんが「ウー、忘れないさ、ウー、今年の夏」……のCセクションが素晴らしい。「この街さえダイヤモンドにきらめいた 何もかもが 君のせいさ Oh モニカ」とタイトルコール“モニカ”に至るところで、ずっとまっしぐらに8分音符以上のグルーブを敷き詰めてきたビートがⅥmの偽終止とともに2小節停止するのです。モニカの主題に至って、時間が止まる。港に碇をおろすがごとく、八月が胸の中で永遠にとどまるのです。サックスソロの間奏に突入。
Cセクションは楽曲中に1回しか使わない構造のポップソング・ロックソングも多いですが、本曲ではこの緩急に優れたCセクションももう一度繰り返され出会うことができます。「モニカ」が存在する永遠の夏に、胸のなかでわたしたちは何度も再会できるのです。
チチチとタイトなハイハットが右に開き、デシデシとふといサウンドのスネアが轟き、シンセのジュンジュインした音色と悪だくみ。さおものベースの音なのかシンセベースも入っているようなのか。ブリッジミュートで抑えつつバウンドするエレキギターがアルペジオ。バンドのまっしぐらな音とシンセのフィーリングの掛け合わせ、サビのボーカルハーモニー。突貫力があるとともに、ぬかりありません。編曲は大村雅朗さん。
エンディングはサビを反復しながらエンジンをふかすみたくエレキギターが高鳴り駆け込み、サックスとMCバトルかのようにボーカルをはさんで空中戦のさなかフェイドアウトしていきます。
青沼詩郎
参考Wikipedia>モニカ (曲)、パラシュートが落ちた夏、吉川晃司
K2 NET CAST [KIKKAWA KOJI OFFICIAL WEB SITE]へのリンク 2026年のライブツアー“Higher and Higher”で活発にしておられる吉川さんのオフィシャル近況。
『モニカ』を収録した吉川晃司のアルバム『パラシュートが落ちた夏』(1984)