胸がドキドキ THE HIGH-LOWS 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:甲本ヒロト・真島昌利。THE HIGH-LOWSのシングル(1996)。テレビアニメ『名探偵コナン』オープニングテーマ。THE HIGH-LOWSのベストアルバム『flip flop』(2001)に収録。
THE HIGH-LOWS 胸がドキドキ(ベストアルバム『flip flop』CD収録)を聴く
信じてるのは胸のドキドキ 胸のドキドキだけ
『胸がドキドキ』より、作詞:甲本ヒロト・真島昌利
事件がおこるわけです。状況を観察し、推理でことのいきさつ、状況の推移、結論を導き、提示する探偵。犯人はついに自白に至り、鑑賞者は真実を知ります。
論理とか観察が大事なわけです。
それもすごく大事なことです。私も、観察や論理によって人生を救われることが多いのは事実。でも、それはそれとして、私の心が尊重したいのは胸のドキドキなのである。
そんな、私の心の底の声を掬い上げた主題『胸がドキドキ』。名探偵コナンの主題歌として、事件とか状況とかそういうごみごみした瑣末な情景、過程のシーンをあえて取捨選択して通り抜けて掌でわしづかみにした本質:主題に拍手です。
ドコドコとタムのオルタネイトストロークが激烈です。ピアノがこんこんとふりそそぎ、ぴろぴろとオルガンもダウンストローク。
ギターの2拍目裏にかかるコードチェンジのリフ、バンドの轟音の宇宙の渦を泳ぎ渡る甲本さんのリードボーカルが入ってハイロウズサウンドのフレームが完成。そこに「胸がドキドキ」の本題が、魂が注がれます。なんもいらん。これでよし。
CDで聴いていますが、このフォーマット・この時代らしい、飽和しそうなサウンドです。レコードで聴いたらまただいぶ違うんだろうなと想像、興味がわきます。
ハイロウズ作品としてはオリジナルアルバムでなく、シングルとベストアルバム『flip flop』のみへの収録となっています。『flip flop』のライナーノーツ(ピーター・ビトリチェンコさん解説)によれば、“アバコクリエイティブスタジオにてレコーディング”とあります。
検索してみる。西早稲田のスコットホールのところではありませんか。ギャラリーで私の父が水彩画の展示をしたときに訪れたことがありますが、あの敷地のどこかにアバコクリエイティブスタジオもあったのですね。個人的な記憶をスミマセン。
子どものころにわかりかけてたことが 大人になってわからないまま
『胸がドキドキ』より、作詞:甲本ヒロト・真島昌利
高校生のはずが、体をちいさくされて小学生(の体)にもどってしまうコナン。作品を思わせる歌詞のラインですが、作品の外に及ぶ思考をくれます。
感性や肉体が冴える一番の時期って、子供のいちばんうしろのあたり……それこそ中学生くらいでしょうか。そこからはだんだん感性と肉体が衰えながら、知識や経験が増大して優っていく。ヒトの生の典型でしょう。
つまり知識や経験では解き明かせないものが「胸のドキドキ」なのではないでしょうか。
青沼詩郎
THE HIGH-LOWS ザ・ハイロウズ 公式サイトへのリンク
『胸がドキドキ』を収録したTHE HIGH-LOWSのベストアルバム『flip flop』(2001)
『胸がドキドキ』を収録した『名探偵コナン主題歌集』(1996)
ザ・ハイロウズのシングル『胸がドキドキ』(1996)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『胸がドキドキ(THE HIGH-LOWSの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)