日曜日 紙ふうせん 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:後藤悦治郎。編曲:梅垣達志。紙ふうせんのアルバム『再会 -新たなる旅立ち-』(1978)収録。
紙ふうせん 日曜日を聴く
猛烈に思い出すのがダニエル・ブーン、あるいは日本で田中星児さんが印象付けたヒットソング『ビューティフル・サンデー』。
ダニエルのオリジナルが1972年。田中星児さん(だけじゃない?)の日本ヒットが1976年。紙ふうせんのこの作品『日曜日』は1978年のアルバム『再会 -新たなる旅立ち-』収録です。参考にしたりオマージュ元にしたりしている意図は「はっきりしている」と私は思いますがどうでしょうか。
紙ふうせん『日曜日』の話に戻ります。オルガンのリフ、オクターブ上下するベース。キックの恒常的な4つ打ち。ハイ、ハイ、右、左……と行進を始めたくなります。
音像をリッチにするのは左右に開いたアコギのコードストラミング。左右でそれぞれ違うトラックに違うテイクのアコギを使っている感じです。役割や音域、リズムもおおむね一緒のようなので、あくまで同じパートを二人の人間で同時に演奏しているような厚みを出します。実際は同一の演奏者の多重録音によるダブリングかもわかりません。
アコギのチャキチャキした刻みとハイハットの粒が楽曲のサウンドに明瞭な印象を与えます。主題の「日曜日」らしいブライトさを覚えます。
手拍子が途中で入りますが、破裂するような耳の痛さを抑えてマイルドな音で入っているのに愛嬌を感じます。
バックグランドボーカルのお化粧が暑い。化粧・飾りというより、肉体の一部として扱っているかんじです。
メインボーカルは後藤さんの男声と平山さんの女声によるオクターブ違いのユニゾンが基調です。どんな声種でもみんなで一緒に歌える雰囲気も「日曜日」らしさか。
オルガンがヒョーンと残るエンディング、バンドの実直な演奏、「これこれ!」感を大事にしたアレンジが後味も爽やかです。「フー!」と煽るメインボーカルがニヤっとさせます。
青沼詩郎
『日曜日』を収録した紙ふうせんのアルバム『再会 – 新たなる旅立ち』(1978)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『日曜日(紙ふうせんの曲)ギター弾き語りとハーモニカ』)