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THE BACK HORN『冬のミルク』 作曲を変えた道標

時間を経ても、表現の方向性を見事なくらいに保っています。この、方向性を保っているという点はTHE BACK HORNの魅力のひとつ。新しいことにいつもチャレンジしていると思うけれど、彼らがやる「THE BACK HORN」を「THE BACK HORN」としてリスナーに認めさせる何かがある。彼らの遍歴をもっとちゃんと聴き込みたいと思います。
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KinKi Kidsが歌った『全部だきしめて』 作詞者・康珍化、巨人・吉田拓郎

フォークと書いて音楽と読むのもいい。音楽と書いてフォークと読むのもいい。ロックともニュー・ミュージックともシティ・ポップとも、言いたいやつに言わせればいい。分類は便宜のためのものだ。分類に困るものをいかにつくってやるかに夢中でいられるくらいが幸せなのかもしれない。幸せかどうかは本人のみぞ知るところだけれど、吉田拓郎はそれを実践した最たる1人なのじゃないか。ぼんやりと見た巨像に、少しだけ色がついた気がした。
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Mr.Children『終わりなき旅』 音楽の循環、新しい始まり。

曲の要になっている調はEメージャーだ。このEメージャー調は、ラストのサビで再登場する。この曲は転調してサビに行くので、1回目のサビの調はCメージャー。3回目でCメージャーからDメージャーを経て、さらに調2度上がってEメージャーが登場する。Eメージャー調としては再登場なのだけれど、サビでのEメージャー調はここが初出である。「ヒラウタから転調してサビに行く曲」であるにも関わらず、ヒラウタで使った調があとでサビにも出てくるという特殊な構成。この設計に、私は「旅」を感じる。