金を貸したであろう主人公と借りた人物を軸に、借金の本質をつく鋭さ。人間の情けなさを含めて見事なブルース・ロックンロールとして歌い上げている。

1980年代と1990年代のちょうどはざまにいて、なんだかすごく、何かの黎明期のような気がする。幼かったから、当時の空気をあんまり私は記憶していないしわかっていなけれど、そんな気がするのだ。なんというか、とっても豊かで自由で奔放で楽しい。アカ抜けてもいるし、いなたく（いなかっぽい。いもっぽい）もある。とにかく私はこのプレイリストをすごく気に入ってしまった。

曲、歌詞、サウンドどれをとってもキャッチ力が超一級で、多くのミュージシャンにカバーされている。コードが大胆に変わっているもの、メロディが違うものも多い。たくさんあるそれらカバーテイクを、実川俊晴ご本人がご本人によるサイトで紹介している。解説・コメントがついていて、非常に細かく分析してある。原曲との違い、カバーテイクに感じられる工夫・趣向の要点が分かりやすく述べられている。

音楽にしても歌詞にしても映像にしても、楽しさが次から次へと覆い被さってきて絶えずニヤニヤしてしまう。

サウンドで、届いてしまっていることに驚愕する。もちろん、歌詞もサウンドのひとつだということは強調しておきたい。

私の一番昔からの大好きな一曲『散歩道』を作った人物が、私にとって一番馴染みのライブハウスと縁があるという事実に、しみじみとせずにいられない。

蜘蛛は蜘蛛であることをやめられないのと同じに、私は私であることをやめることはできない。

サイエンティストにとっての「Prize」とは何か？　人類にとっては？　あなたや私にとって・あなたや私の大切な人たちにとっての「Prize」ってなんだろう？

“Oh,my God”というやり場のない嘆きのようなフレーズが、ボーカルのウェイン・コインのしわがれた魅力的な声で紡がれる。