時の魔法 ガロ 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:堀内護。ガロのアルバム『GARO3』(1972)に収録。

ガロ 時の魔法を聴く

時の魔法 ライブバージョン 『GARO LIVE』(1973年)収録

歓声に人気ぶりがうかがえます。エレキギターがみゃんみゃんと嘆きます。フェンダー系のギターでしょうか、鋭さと繊細さがあります。疾走しまくりのグルーヴです。ベースとドラムスを原曲を凌駕して力強くフィーチャーしたロックバンド仕様。早いテンポでエイトビートをダウンストローク。ライブでもボーカルハーモニーが精緻です。ガロがすばらしい表現者であり演奏者としても秀でているのがうかがえるライブテイクです。

時の魔法 オリジナルバージョン アルバム『GARO3』(1972年)収録

ボーカルハーモニーが厚く質量と清涼感があります。シンプルな楽器編成もシンプルな歌詞も、このハーモニー、レイヤーを基礎として映えるのです。積極的シンプルとお呼びしたい。

右のアコースティックギターがダウンストロークのエイトビート。左のアコースティックギターがオルタネイトのストロークで、ニュアンスの違いを演じ分けて定位を左右に振り分けています。ベース、ドラムス、ボーカルハーモニーがまんなかあたりからきこえます。左右のバランス感が良く、しかしニュアンスの違いによるサウンドの豊かさが左右からしっかり感じられて耳福です。

メロの部分はドラム、ベースを静かにさせてアコースティックのイメージを刷り込みます。エンディング前のコーラスではドラムのリズムとボーカルハーモニーのみになります。限られた楽器のオン・オフの組み合わせの使い分けで、楽曲に起伏をもたらします。限られた人数の生身の人間が演奏するグループとして見習うべきお手本のようなアレンジメントです。

間奏のギターソロもアコースティックギターです。左右にそれぞれアコースティックギターがいて、ボーカルが止んだ真ん中からハーモニックなフレーズが幕を割って出てきて右・左・真ん中とアコギが布陣します。曲の進行に沿って、音の設計が逐一秀でています。

アルバム曲ですがライブでも扱われていて演奏しやすさの面でも好ましいレパートリーなのでしょう。「ランラ……」とシンプルな発音でコーラスするのでライブ映えしやすいことと思います。ライブ中のステージと客席こそ、魔法がかったかけがえのない一瞬でしょうね。

青沼詩郎

参考Wikipedia>ガロ (フォークグループ)

参考歌詞サイト 歌ネット>時の魔法

ガロ ソニーミュージックサイトへのリンク 2024年5月29日に“元メンバー大野真澄選曲コンセプトによる、約20年ぶりとなるベスト・アルバム『シングルズ&オリジンズ』”が発売します。アルファミュージックの55周年記念特設サイトに選曲が公開されています。

『時の魔法』を収録したガロのアルバム『GARO3』(1972)